Mar 16, 2007
A.チュツオーラ『やし酒飲み』
1920年、西アフリカ、ナイジェリアのアベオクタという町に生れた。労働者の子供で、さまざまな仕事をした後、労働局の小使いという退屈な仕事を紛らすために書きなぐった物語がこれで、知的な階層からは、ナイジェリアの恥だという顰蹙もあるという。アフリカ人の代々の血から噴出した、本来ならヨルバ語で書かれるべきところを「稚拙な」英語で書かれて恥ずかしいというのが顰蹙の理由だということだ。「英語の単語を使いながら、じつはヨルバ語を語っている」。ここに文化と言葉の大きな秘密がある。この物語の奇妙さ、インパクトの強さは初体験である。 「南へのバラード」の続編を構想するための読書の1つ。 「ジャンヌ」について何か自分自身の観点が見つかるまで休眠(と言っても、しじゅう頭の中にはある)する間、「南」への探索も怠るまい。
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