Jan 12, 2006
一進一退
今年はすべり出しがいいと思っていたが、そうでもないかな、と、まるで相場の変動を気にするようにいらついた気持ちに陥りがちなことに気がつく。こういうときは「バカになる」にかぎる。例えば、テレビの知識でもいい、猫は人よりずっと多くの睡眠時間を必要とするとせつめいしているのを、うちの猫たちを見ていて思ったことにぴったりあっているので、なるほど、と感心したり、ミレーの油絵「種をまく人」のバックに小さく描かれているのは、種をまく男と同じ方向に進んでいる、刈草を積み上げた台車に乗った人物ではなくて、人物はそうだが、2頭の赤牛に引かせた鋤に乗った男で、種まく男とは反対の方向に進んでいるのが、今日はじめてわかったとか。バカになると、今まで思い込んでいたものが、違うことに気付く。あるいは疑問だったことが解ける。草を積み上げたと思っていたのは、じつは大きな牛たちの四角い尻だったし、鋤に乗った男はベージュの帽子をかぶっているし、女ではなく男だと思うのは膝を曲げた足が長く細く、踏ん張った姿勢が男の姿勢だから。前景の男は右手を開いて、手のひらいっぱいに種(?)をつかんでいて、その手の背景にはからすが群れ飛んでいる。畠は平地というより、多少丘になっているように見える。丘の稜線の上が明るんでいるが、午前中か、夕方かどっちだろう?タイツのような青いズボンの大腿部がたくましく、兵士のように見える。人は大地と戦って糧を得ていたのだ。
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