Aug 16, 2011
黙祷しなかった66年目
昨日は11時34分のバスで外出したので、夕方帰宅してテレビをつけてはじめて、12時に黙祷しなかったことに気がついた。街ではその種のことはなにも耳にしなかったし、目まいのする暑さのあまりすっかり忘れていた。これまではたいてい家にいて、ひとりで正午に黙祷していた。疎開先の九州の伯父の家での8月15日正午の玉音放送の記憶があったから。もうしてもしなくてもいいやと思う。6歳なりの戦争の記憶は生きている限り消えることはないし、作品にもちょくちょく書いているが、そういったたぐいのことを周りの人に話しかけても重い反応しか返ってこない。夜のテレビで80代の元日本兵が泣いていた。全員死んだといって。可哀想だといって。こんな風に老人を泣かすなんて、何千人集まって黙祷なんてしたってしょうがない。いやむしろそれも恐ろしい気がする。
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