Mar 26, 2008
思い出
長男が転職と転居に悩んでいる。わたしは新聞の求人欄を二人分眺めている。
10年近く前、彼は例えばわたしの「携帯電話の先生」だった。
息子が買い換えるから、と譲り受けた携帯でわたしはメールも覚えた。
自立するために出て行ったこの家に、もう一度帰ってくるかもしれない。「俺の場所はある?」とメールで聞いてきた。あなたの部屋はわたしが使っているけれど、もちろん帰ってくるならその方向で対策を考えるわよ、と会ってから話した。
この恐竜は、彼がコドモだったとき、遊園地のゲームコーナーでゲットしたものだ。そのときの誇らしげな顔をわたしはよく覚えている。意気揚々と恐竜を抱えた息子を二人の妹が羨望の眼差しで見つめていた。
恐竜の上に乗っている無邪気な子犬がどこから来たのか、これは思い出せない。家族の誰かが連れてきたことは間違いない。
ゲームでやってきたぬいぐるみは、一時、とんでもなく家中に溢れかえっていた。だいぶ処分された。かわいい顔をしているから処分するときは辛かったけど、、。もちろん、この恐竜は生き残った。そしてきっとジャマにならないサイズのこの犬も残っていたのだろう。
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