Feb 18, 2008
読書率
母と一緒に病院へ。ふんわり白髪の母が杖をもってバスに乗車しても、席を譲る者は誰もいない。多少、心配しながらそばに立つ。明るい日差しがバスのなかには満ちていてわたしは年老いた親のからだを、とても小さく感じる。バスが病院に着いて、わたしは母に手をかしながら下車した。数人の乗客は降りるや否や小走りに信号を渡っていく。一刻を争うみたいに・・・。 わたしたちはそういう一見「元気な」ひとたちのじゃまにならないようにゆっくりと端に寄った。
待合室は、座る椅子を探すくらいに込んでいた。そしてみんなぐったりと押し黙っている。わたしが通う都心の病院では、読書している人が必ず何人かはいるのに、見渡したところ誰も彼もが呆然と座っている(ようにみえる)。
わたしは母親の話し相手をするべきなのか・・・?とわずかに考えている隙に、母は文庫本をバッグから取り出した。よかった。安心して二人で本を読みながら待ち時間を過ごした。
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