Jan 24, 2007
二冊の本
まずは、山折哲雄『ブッダはなぜ子を捨てたか』。うーん、なぜなんでしょう?気になる。気になる。と読み進めても、答えは残念ながらないです。大げさな文章が続きます。各レヴューで、酷評されていますが、わかる気もします。興味深い問いで、意見を聞いてみたいと思ったけど、たぶん、問いが難しすぎたのだろうと思います。しかし、こういう問いでいつか誰かがきちんと(学問的でも芸術作品でもいい)書いた本を読みたいと思いました。芹沢一也『ホラーハウス社会』。触法少年、異常者をめぐる司法の歴史の概括としては、異論は色々あるかもしれませんが、ある程度勉強になりました。「社会秩序」って残酷ですねというお話として読めました。解説が重要です。大事な問題が引き出されています。藤井誠二さん怒っています。被害者家族が加害者を許せないというのも当たり前で、被害者の気持ちは様々なはずなのに「赦す被害者」のストーリーを強要している人たちがいると。芹沢さん考えてくださいと「宿題」を出しています。論争になる地点を出来た時点で解説として埋め込まれている本というのはあまりないと思います。誰も正解をもっていない、この宿題の場所。そういう地点に立つまでの準備がこの本だと思います。この世界には様々な欲望があると感じました。防犯も不安も欲望の顔をのぞかせるときがあります。秩序も度が過ぎれば欲望の顔をします。そのことを実感的に思い起こしました。
気になる本をちょこちょこ漁っています。雑読かもしれませんが、頭を動かす準備体操のようにして、本を読んでいます。まだこの世界という大海の中で考えては休み、考えては自分のヨスガとなる考えらしき何かを泳がせています。考える葦であるというのが何だか今の実感です。少し頼りない感じの後姿で行こうと思います。
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