Dec 28, 2006

今日の言葉

 「己(おれ)は人間でないのだ。人間の中に交ってきた。それがまちがいだったんだ。」
 肺腑をつかれる思いだった。これは、鶴見俊輔『詩と自由』の中に引かれた、あの中井英夫の言葉。(最近の自分は何かぬるい言葉を吐いているのではないかと感じた)解説はしない。焼酎の久米仙を少し飲んだ。今は酔っていない。
Posted at 00:17 in nikki | WriteBacks (2) | Edit
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人間ではないもの

僕も今日、「詩と自由」を買ってきました。読み始めるのは年があけてからになると思いますが。
石川さんと同じ角度からかどうかはわかりませんが、僕も「人間であること」の外側が気になってなりません。
カミだとかケモノ、それとヒトの間だとか。
「人間」というのを、自明なものとして語ることなどできないのだ、ということに、遅ればせながら気づいてきました。中井の言葉も、自身の「人間」を否定するだけでなく、「人間」であるとされているものへの疑義をも感じさせるもののように思いました。

古事記などを読んでいると、そこにはヒトの外皮をまとう以前の精神や生命がうごめいていて、それをごく自然に受け止めている自分に気づいたりします。カミはいつのまにか身体を持つようになり、いつのまにか人が登場していて、さらにいつのまにか死ぬものになっている。これらの間を吹き渡っているものが、たしかにあると思うのです。

そういえば、石川さんの詩にも、自分自身が変身して顕現するのを、自分自身が見ているような詩が何篇かあったように思います。そうした詩にとらえられている生命の不思議に、僕はうたれます。

Posted by 高野五韻 at 2006/12/29 (Fri) 00:03:51

鋭いです

高野さんのことば、とても鋭いと感じました。
>ヒトの外皮をまとう以前の精神や生命
とてもよくわかる感じがします。
詩というのは、変身の不思議ですね。
僕は中井英夫さんのことばを読んで
詳しくはないんですが、天皇の「人間宣言」って何だろうなと素朴に思いました。

「詩と自由」まだ途中ですが、面白いので、やはり鶴見俊輔の感覚というかな、とても話の切り出し方が、面白い、いいと感じています。詩もいい意味で詩らしくなくて、いいのがいくつかありました。

Posted by 石川和広 at 2006/12/30 (Sat) 01:06:12
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