Sep 17, 2006
ETV特集
で、けま喜楽苑での取り組みというか、じいちゃんばあちゃんのありようというか、非常に丁寧に取材されていた。見た方はわかると思うが、けま喜楽苑は特別養護老人ホームである。ユニットケアの先駆けで、個室も多い。とてもゆったりした空間で、あんまりオシッコの匂いがしなさそうである。みんなメイクもばっちりである。僕のヘルパー実習に行ったある特養は、くさかったし、ぎすぎすしていて、ばあさんたちが「姥捨て山みたいや」というのであった。いくら丁寧といっても、みんな仕事でやっている。とはいえ取材が来たから大慌てで用意しましたみたいな顔を職員がしていなかったので、相当なレベルである。すごく丁寧なケアがされているのだが、実家に帰った認知症の夫婦はニコニコしていた。娘さんもがんばっていた。夫婦の奥さんはしっかりしてたり、そうでなかったりの落差が激しそうだった。
ふるさとへ帰れば過去の記憶が戻ると考えられていたおばあちゃんは、「(思い出したのは)半々くらい」と美談の展開を裏切る見事なリアルだった。でも情の深そうな人で、記憶が薄れても大切な感覚が残っているなと思った。おばあちゃんに育てられた弟さんはさびしそうではあったが。
とはいってもテレビはテレビであって、現場の本当のところというのは行ってみないとわかんないだろう。人間はバカにできないのであって、仔細に実際に見れば、ここは親父を入れたいかとか切実に考えるのだろう。親が嫌いな人は「姥捨て山」にということもあるかもしれないが、喜楽苑のようなところは人気がありそうだからなかなか入れないのではないかとも思うのだった。
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