Nov 22, 2008

あとがき

あとがき

「娘が二人いる。私を父に、出会った女を母
という立場に追い込んだ二人。その存在。私
が遠い町で口を噤んでも、プリズムの向こう
の異国を夢見ようとも、闇の中で光るマニキ
ュアに目を凝らそうとも、彼女らは私を父の
座からのがれさせない。これが私の今だ。
私小説があるなら、私の詩は私詩である。す
べて私事。目も合わせない未知の人まで、思
い及ばない。個人的体験を、舞台に上げる 」
つもりはなかった。娘二人が十年すぎて、
「ふうん」とこくびをかしげる種でよかった。
なのにありがたい友人たちは体裁を作ってく
れ、知恵と勇気をわけてくれる。こうしてこ
うなった。私詩であるが、こんな私詩の群れで
さえも私一人だけから生まれおちたものでは
ないことを知らされる。袖すりあったみなさ
ん、どうもありがとう。」

    これは第二詩集「あかたすくつはあかいくつ」
の、陽の目を見ることのなかったあとがき
である。私の詩のスタ-トラインがここにあ
るように思う。それからほぼ十年過ぎた。娘
たちはこくびをかしげるどころか、私の詩の
あったかい読者、ときに痛烈な批評家である。
十年!
と感じいってる間に娘たちは外の世界に飛び
立とうと、羽の手入れに余念がない。ならば、
私もこの詩集を契機にほんの少しあいてい
る窓を大きくあけ、新しい光の中にドタバタ
飛び(?)出す勇気を持とうと思う。この
詩集を出すにあたって、中上哲夫氏になにか
らなにまでお世話になった。また詩を通じて
知り合った多くの方々、友人、身内の人たち
に支えられてここまで来ることができた。
ほんとうにありがとうございました。

アトランタ五輪女子マラソンを見ながら

阿蘇 豊



あとがき

私小説があるなら、私の詩は私詩である。
すべて私事。目も合わせない未知の人や遠い
現実の事々まで思い及ばない。ただ娘二人が
大人になったころに「ふうん、お父さん、こ
んなふうに見てたのか」と感じてくれればそ
れでいい。それがスタ-トラインだった。
十数年過ぎた今、娘たちは「ふうん」どころ
か、あったかい読者、ときに痛烈な批評家で
ある。あれから十数年!
 と感じいってる私を尻目に娘たちは外の世
界に飛び立つべく、羽の手入れに余念がない。
ならば、私もこれを契機にほんの少しあいて
いる窓を大きくあけ、新しい風景の中にドタ
バタ飛び出す勇気を持とうと思う。
しおりを書いてくださった中上哲夫さん、
詩を通じて知り合った多くの方々、いままで
応援してくれたみじかの人たちに深く感謝し
たい。

アトランタ五輪女子マラソンの夜に

阿蘇 豊



略歴


阿蘇 豊(あそ ゆたか)
詩集「阿蘇豊童貞詩集」
詩集「あかたすくつはあかいくつ」
「暴徒」「セルヴォ」「カイエ」同人
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