Mar 06, 2008

ルノワール+ルノワール展

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 渋谷のBunkamura・ザ・ミュージアムにて、「ルノワール+ルノワール展」を観てまいりました。だんだん春めいてゆく季節に、この展覧会は楽しみに待っていました。素朴で愛らしく、ふくよか、ひかりを纏ったようなうつくしい肌の女性たちと子供たち、そしておだやかな風景・・・・・・ルノワールの絵の前に立つと、女性に生まれたことを祝福したいような気持になります。うつくしい女性画、風景画なら他にもたくさんあるのを知らないわけではありませんが。。。

 今回は、印象派を代表する画家の一人、ピエール=オーギュスト・ルノワールと、彼の次男であり、映画監督のジャン・ルノワールとの「ルノワール+ルノワール展」というわけで、父の絵画と息子の映画を同時に紹介するものでした。二〇〇五年パリで開催されたもので、オルセー美術館の総合監修とのことです。

 画家ルノワールは、家族の肖像を好んで描き、妻アリーヌ・シャリゴ、後に俳優となる長男ピエール、次男で映画監督となるジャン、三男の陶芸家となるクロードの姿が何度も登場します。「家族の肖像」「モデル」「自然」「娯楽と社会生活」と四つにわけて、二人の作品を同じテーマで絵画と映画を対比させることで、親子間の根底に流れる共通性を明かしています。ジャンが残した映画には、父が愛したひかりや色彩がそのまま投影されているかのようでした。投影ではなくて、ジャンの映画には父の絵画のひかりと色彩が再現されている、という方が適切でしょうか?目に見えない父と息子の絆、そして「画家の家族の肖像」を見るようでした。

 数日前から、ルノワールと同じく「印象派」の時代を生きた女性画家「ベルト・モリゾ」の評伝を読みはじめたのは全く偶然の出来事です。二人は同じ一八四一年生まれです。これはおそらくまだ女性画家が認められていなかった時代を生きた「女性画家の家族の肖像」となるかもしれません。いずれまた、この本について書いてみたいと思います。
Posted at 02:29 in nikki | WriteBacks (0) | Edit
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