Feb 07, 2009

モーターサイクル・ダイアリーズ

gebara

監督:ウォルター・サレス
製作総指揮:ロバート・レッドフォード
脚本:ホセ・リベーラ
音楽:ホルヘ・ドレクスレル(ウルグアイ人)

《キャスト》
エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ : ガエル・ガルシア・ベルナル
アルベルト・グラナード : ロドリゴ・デ・ラ・セルナ

 この映画は、キューバ革命の指導者「チェ・ゲバラ(本名:エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ)」と、友人アルベルト・グラナードの若き日の南米旅行の著作「チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記」をもとに、ロバート・レッドフォードらによって2004年に制作されたもの。

 1952年、本でしか知らない南米大陸を、自分の目で見たいという思いから、アルゼンチンに住む23歳の喘息持ちの医学生のエルネストは、7歳年上の友人のアルベルトと共に1台のバイク(ポデローサ号)で、12,000キロの南米旅行へ出かける。故郷のブエノスアイレスを出発しパタゴニアへ。さらに6000メートルのアンデス山脈を越え、チリの海岸線沿いに南米大陸の北端を目指す。マチュピチュ遺跡、アマゾン川など、ロードムービーとも言えるこの映画は南米独特の風景が美しく哀しい。最下層の労働者やハンセン病患者らとの出会いなど、さまざまな出来事を通して、南米社会の暗い現実を若者の目で見ることになる。後にキューバのゲリラ指導者となった若き日のチェ・ゲバラの生涯に大きく影響を及ぼした旅行ともなった。

 この映画のなかで、最も心に残るシーンがありました。ハンセン病の方々は川向こうで集団生活をしています。日本での「強制隔離」と同じものを見た思いがしました。そこでは農業、養豚などなど、さまざまな自立生活が行われ、そこを支配しているのは尼僧たちでした。その尼僧の最高位にいる方の方針では「朝の礼拝に来ない者には食事を与えない。」という冷酷なものでした。 その対岸には病院があり、医師は舟に乗って往診に行くのですが、その時に「エルネスト」と「アルベルト」は同行します。医師はゴム手袋を二人に渡しますが、「何故、その必要があるのか?」と若い二人は質問します。医師の答えは「尼僧からの命令だ。」と答えますが、それを拒む二人の若者に無理に手袋を渡すことはしませんでした。そして二人は川向こうの人々と握手を交わして、彼等の生活に溶け込んでゆくのでした。

 サレス監督は2人の旅程を実際にたどり、またアルベルト本人やゲバラの遺族に面会するなど、リサーチに2年をかけたという。さらにゲバラの医学生としての専攻学科はどうやら「ハンセン病」だったらしい。
Posted at 23:11 in movie | WriteBacks (0) | Edit
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