Jan 25, 2009

グッバイ、レーニン!

good bye lenin

監督:ヴォルフガング・ベッカー
脚本:ベルント・リヒテンベルク&ヴォルフガング・ベッカー
音楽:ヤン・ティルセン
制作:2002年(2003年公開。ドイツ映画)


《キャスト》
アレクサンダー・ケルナー(アレックス):ダニエル・ブリュール
クリスティアーネ・ケルナー(アレックスの母):カトリーン・ザース
ララ(ソ連からの交換留学看護学生。アレックスの恋人):チュルパン・ハマートヴァ
アリアネ・ケルナー(アレックスの姉):チュルパン・ハマートヴァ
ローベルト・ケルナー(アレックスの父):ブルクハルト・クラウスナー

 東西ドイツ統合後に庶民の身に起こった家族劇の一例を描いた作品です。本国ドイツでドイツ歴代興行記録を更新したそうです。 また第53回(2003年)ベルリン国際映画祭の最優秀ヨーロッパ映画賞(嘆きの天使賞)ほかドイツ内外の様々な映画賞を受賞しました。

 アレックスは幼少時代には宇宙飛行士に憬れ、卒業後は東ドイツでテレビ修理工として働いていましたが、ベルリンの壁崩壊で国営事業所の解体により失職。母親は小学校の教師(当然、教育内容が変わる)。アレックスの姉は学生結婚の末離婚したシングルマザー。大学で経済学を学んでいたが、ベルリンの壁崩壊後に中退しバーガーキングに勤務。東西ドイツ統合が市民レベルに及ぼした影響はおびただしいものだったのだ。

 東ドイツの首都東ベルリンに暮らす主人公のアレックスとその家族。父親のローベルトが西ドイツへ単独亡命し、母親は夫からの西側への亡命要望に応えないまま、熱烈な社会主義に傾倒していった。 そんな家庭環境の中、1989年10月7日(東ドイツの建国記念日)の夜にアレックスは家族に内緒で反体制デモに参加する。それを偶然通りがかった母親のクリスティアーネが目撃。強いショックから心臓発作を起こして倒れ、昏睡状態に陥る。

 彼女は二度と目覚めないと思われたが、8ヶ月後に病院で奇跡的に目を覚ます。しかし、その時にはすでにベルリンの壁は崩壊。「もう一度大きなショックを受ければ命の保障は無い。」とドクターから宣告されたアレックスは母の命を守るため東ドイツの社会主義体制が何一つ変わっていないかのように必死の細工を周到に行なう。

 しかし母親はもう余命がなかった。アレックスは西側にいる父親を呼んで、母親に会わせる。また、映画マニアの友人デニスの協力を得て、「資本主義に行き詰まった西ドイツを東ドイツが吸収合併する」という偽りのニュース報道の映像を作成する。既にララから密かに真実を知らされていたクリスティアーネは、息子のやさしい嘘に感謝しながら、永遠に目を閉じたのだった。
Posted at 16:55 in movie | WriteBacks (0) | Edit
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