Jul 06, 2005
からすのいたずらにおこるな
わたしの「詩日記2002ー2005」のなかにある一編「しんしゅけしゃん」は、藤富保男さんの詩集「客と規約」を知らずに書いていたのです。この作品を書いた後で、桐田真輔さんからこの詩集をお借りして読みました。そのなかの作品「客」にわたしのこの作品はシチュエーションがとても似ていたのでした!
この藤富さんの詩「客」は女性が家のなかに上がり込んできて、主人の戸惑いにも無頓着に家中を歩きまわり、それが済むとカラスになってみずから鳥篭に入ってしまうのです。もう一編はこの成行きを逆転させて、カラスが鳥篭から出て、女性に変身して家中を歩きまわり、そして外へ出ていってしまうのです。
この詩集はそれだけでは終っていません。この「客」一編をもとにして、さまざまな言葉遊びを展開させているのでした。たとえば詩の各行から一文字づつ抜き取って空白を作り、その空白を繋いでゆくと「からすのいたずらにおこるな」となったりするのです。とっても楽しい詩集で一気に読んでしまいました。詩はこれくらい楽しんでいい、ばらけてもいいのだと思いました。しかし「詩を遊ぶ」ということは、本当は大変に優れた力量がいるのだと、反省もした次第です。この詩集に出会った日には大きな地震がありました。
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