いもの煮っころがしをはさみそこねて
はしを1本おとした
2ひく1も1
マイナス1たす2も1
かけたのも
わってできたのも
おなじ1にはちがいないが
天ぷらの匂いがする
つたないピアノの音が聞こえる
どちらも
根づくことなく
すぐに消える
うすい皮に包まれた
1人のなかで
おれも1のひとり
だが
どんな1だろう
四捨五入して
おまけしてもらった1かもしれない
あるいは
切り捨てられた肥満気味の1か
そばの人の手を握る
おれの手のかたちが知りたくて
あたたかさが伝わり
1人では1人はわからないことがわかる
どんな1かはっきりしなくても
おれは1として
授けられたことがわかる
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