猫 南原充士 むりやり袋に押し込めた猫は たちまち袋を食い破って逃げる その影は長い 鈴が鳴る わたしの心をくすぐり 秋は枯れ 黒い土もおもては乾いた 夕ぐれ 小学校の校庭はうす茶けて だれもいない わたしは閉め切る ひとりを決めこんだ部屋を 外はもう暗い