骨組み 清水鱗造 骨組みだけの船がすぎる 前に板が張ってあったのか これから張るのかわからずじまい 花がぼわぼわ咲いたり たちまち枯れたり 骨のあいだで点滅する光 日なたの猫 日なたの猫 空中の粘土で 鳥の形を作る 魚の形もまた 鳥と魚の骨組みが よぎり 深い眠りの底へ 猫は食事で呼ばれるまで