晩秋-枯れ葉たち-
冨澤守治
「とき」はいやでも過ぎて行く
秋の嘆きは、どこまでも深く
枯れ葉の負う責めは、どの秋にも不当である
自ら、灼け付き、燃え尽きて行く
この悲しみは、怒りをともなうものか?
「不当なり」とも声をあげるものか?
さかしらに枯れる行為を疑い、告発するものの
不正義は、いつの世も安全なところに身を置き
罪なきものは、枯れ葉にして
押し黙り、大樹より振り解(ホド)かれる
それであるならば、天こそ罪を負え!
秋の空は、空は、晴れてはならないのだ
風もまた、一枚の枯れ葉を護るためならば
吹いてはならないのだ