雪 おかだすみれこ 堕ちていく速さは 迷いのままに計れないから どれくらいの傷みを覚悟すればいいのだろう 倫理なき荒野は果てしなく広がっていても どこかに 白く冷たく静かに降り積もる場所があるのなら 無能の微笑を浮かべて やさしく受けいれてあげてもいい けれどそこに真実はないし 幼かった頃のような悦びもすでにないから 代償を求めて手を差し出すじぶんを 想像してみる 言い訳もなく誰かのせいでもなく 潔く汚れていく薄い雪のように