探して、愛

探して、愛

一瀉千里

ソウルの晩秋は 十一月半ばでも
氷点下になる
舞台装置は すっかり夜で
銀杏並木の道が ほのかに照らし出されている

胸に 熱い想いを抱いた
眠れない猫たちが
連なって ソウルの街を
徘徊する

あのかどの レトロな喫茶店
歩きなれた都会のネコが エスコートをする
天井が高くて 広い店
暖をとるには ちょうどよい

カプチーノを くださいな
チーズケーキも つけてね
言葉が通じない
身振り手振りで 説明をする

部屋の中は ノエルのようで
見知らぬ梟たちが こちらを見ている
届いた コーヒーカップの中には
覗くと 浮かんだハートがふたつ

銀杏の葉っぱが 雪のように舞い落ちて
みとれる 硝子窓の外
チーズケーキを食べ終えたら
再び連なって ソウルの街の中

喋り足りない猫たちは
次のアジトを探して 夜のとばりに消えてゆく
愛のカケラは どこですか?
明日は トキメキをもらいに行きます