思う雑草
足立和夫
旋風(つむじかぜ)が
吹くところ
雑草が
濃く緑なした
ちいさな空き地
そこに迷い込んだ
わたしは
半分ほどのこころを
湿った地面のなかに
寝かせてみた
暗い地中で根を延ばし
草は養分を吸い込んでいた
朝がきりきり
ひろがって
発光する
曇天の粒子をとりこみ
夜が葉に降りると
闇の匂いが張りつめた
風がながれるままに
葉はうごき
雨に叩かれるままに
葉はしずかにしている
こころも
しずかになっていた
もう草になっている
緑なす雑草たちだ
翳る光のしたで
わたしの姿は
藪のなか