第一回 王維の詩のもも訳。


「桃の里」の南風桃子さんは、個人で何種類ものメールマガジンを発行されておられるが、その中のひとつに『漢詩で感じて・・・もも訳でポン!!』というメールマガジンがある。そこでは毎号、一編の漢詩を紹介して、「偉い人」による一般的な訳と、ご自身の「もも訳」を掲載されている。これがいつもとてもいい感じの現代語訳なのだ。南風さんがサイトで公開されているこのメールマガジンのバックナンバーの中から、お酒に関する詩がないかと探してみたところ、王維(おうい)の「送元二使安西 (あんせいに げんじの つかいするを おくる)」という詩をみつけた。原詩の読み下し文はどんなものなのかとか、「偉い人」の訳はどんなものなのか、というようなことは、ぜひ『漢詩で感じて・・・もも訳でポン!!』のバックナンバーのページをひらいて、右のリストのいちばん下の2002/06/01 (第003号)をクリックしてご覧下さい。以下に南風さんのもも訳を転載させてもらいます。


【渭城にて君を送る】

渭城の優しい朝の雨

軽い土ぼこりが
ほこほこ しっとり

旅館の柳は
みずみずしく光っているよ

さあ、君
もう一杯いこう

これから西へ旅立って
陽関 越えてしまったら
親しい友もいないだろうし


(『漢詩で感じて・・・もも訳でポン!!』2002/06/01 (第003号)より)


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