鯛のカブト煮に鱧料理
えぇー、私の会社の経営する料亭、本日の賄いは刺身の姿造りで残った鯛のカブト煮。板場の特製。 きれいに下拵えして。生姜・牛蒡・筍入り。涙が出るほど美味しかった。 プロの味。料理長に感謝! 去年まで保険屋をしていたから、お付き合いで祇園の石段下の小料理屋などでカブト蒸し(鯛の頭カシラにもち米と蕪などの野菜を煮て、蒸したもの。)など食べたことなど、私も多々ありますけど、漁師料理的なこの地方の味は勝るとも劣らない! この「鯛のカブト煮」を食べながら、思ったのは、もしこれを京都の祗園や東山界隈で食べれば、一体幾ら取られるか、関西人的な発想。これが寿司米になり損ねたご飯製の特製巨大おにぎりとともに、賄いで食べられるのは、無常の幸せでありました。残った濃い出汁を捨てるのが辛かったこと。 アラ(骨とかカシラ)を使った京都の料理では、下記の詩集でも紹介しましたけど、鱧(ハモ)の頭と背骨を、軽く塩を振り、直火で焦がしてから煮て出汁を取る方法があります。このストックで瓜などの夏野菜を煮含めたり、うどんなどの麺類の出汁にすると最高です。もちろん鱧吸いにも良い。 骨切りした身は湯引きして、梅肉(バイニク)でいただくのが、今頃の京都の夏の味覚、祗園祭のころが一番良いとされます。(この南遠州地方では鱧は食べないようです。) この時期の京都の生気に溢れた雰囲気は最高ですよ。私はと言えば、今年は初めて祗園囃子を聞かない、40年来始めての夏の入りです。
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