雉太郎
団地を散歩している彼奴を、わたしは雉太郎と呼んでいる。 彼奴ではないと思うのだが、絶対そんなことないと思うけれど、、、、。 雉の肉をいただいた。照り焼きにしたけれど、飲み込むのに苦労した。ケーンと啼いたような気がしたのだ。 アメリカに居たとき食べたような気もするけれど、そのころは桃太郎の家来くらいにしか思っていなかったので、食べたーというほどの記憶はない。 でも、今回は、時々みかける奴を雉太郎とひそかに名付けていたので、まあ、ペットみたいなものだったから、キュゥンと胸が痛んだ。彼奴じゃないだろうな。そんな筈ないよな。 はやく暖かくなって、葉っぱが緑になったら出ておいで。 わたしは田舎育ちだから、牛も豚も鶏も飼われている状態をみている。草や水をやった彼奴らを、わたしは食べたのかしら。わたしの身体のある部分は彼らなのだろうか。 ジャン・リュック・ナンシーの「無為の共同体――分有の思考」を衝動買いした。
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