寂しい蝶が舞っている
とか何とか言ったって、蝶々が孤独を感じているわけでもあるまいし、これを書いているわたしが1人ぼっちというわけでもない。むしろ楽しんでいるのが実情だ。だってお天気が良いんだもの。 でも、孤蝶という言葉もある。どうも蝶々が1匹(頭なんて言えるかい!)秋の日差しを浴びて舞っていると、人間が寂しくなるらしい。秋だねえ、私の人生も終わりかねえ、と言うのが文脈らしい。 で、それを蝶々に詳しい人に言ったら、電話口の向こうで音の百科事典みたいに教えてくれた。お好きなのねえ、蝶々が。 それが1時間くらい前のことなのだけれど、わたしはもうその名前を忘れてしまった。わたしも秋だねえ。 何だったのだろう。こげ茶に白と黄色の点々があったよ。しかし、蝶々のくせに逃げ足が速い。 パラパラパラと音を立てて、桜の葉が散っている。紅葉もしないで。
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