2013/7 [HOME]

++ 日記 ++

2013/7/23(TUE)
待っている
待っている時間は何もしない
待っている時間の活動は待っていることだから


目は何かを刺し 耳は這うように広がり
鼻はブツブツ唱えているが


目を閉じ 耳を押さえ 鼻に洗濯バサミを噛ませろ


そうしないと
用のないものを
とらえ、聞き、嗅ぎ分けて手足に命令を下す
しなくてもいいことをしろと


待っている
ただ待っている
何もしない
待っているだけという
半分死んだような
至福の一時


用のないものって
なんのつもりだろう

2013/7/10(WED)
ichinichigotonishinichikazuku
いちにちごとにしにちかづく
一日ごとに死に近づく

こんな自明のこと
間違って半角英数で打って
平仮名、それを見てわかように漢字を入れて書き直す
これで日本語
これが日本語だ

一日ごとにしに近づく、は
一日ごとに詩に近づく
じゃないのかい

死は避けようもなく万物に降りかかるもの
考えてもいいけど ことさら
考えなくてもいい
明日を上るか下るかで考えるなら
最後の日の明け方まで右肩上がりを志したい

君は詩も書くのだから
一日ごとに詩に近づく
となぜ書けぬ

詩?
詩ってなんだ?
おれが書いているものは
送られてくる同人誌にあるものは詩か
だれがそうだといい
だれがそうじゃないという?

詩がわからない以上
詩に近づいているかわからない
ただ、その意識を持つこと
持ち続けること

好きな詩は自分より先を歩いている
それを目印に歩くんだね
知らないうちに詩に少し
近づいているかもしれない

2013/7/8(MON)
6月の気持ちのいい明け方
惰眠になお浸りたくて
目覚めながら目を閉じたまま
じっとしている
温んだ水に浸るオタマジャクシのように


「ダメだな、こりゃ」
かすかだがはっきり、となりがつぶやいた
コリコリ音がして、起きているらしい
「何がダメなんだ」
のぞきたい気持ちをたたみ
思いの蔓を好きな方向に遊ばせる


パッチワークの色合いの?デザインの?つまづきか
終日来開いているミステリーの筋の運びか
机の上のホタルブクロの肌合いか
窓越しに空を仰ぎ、にわか気象予報士の弁か
机の上の人間ドッグの結果報告書を見てのひとことか
(だとしたら一大事!)
それともまだ覚めやらぬ夢の恋愛劇の結末か
それとも冷めた目で見据えたオレたちの
          関係性についての予言か


「ダメだな、こりゃ」

目を開け、首をひねれば
正体は知れるのだが
ことばの形にしないで このまま
6月の気持ちのいい明け方 ひそかに
ひとりほくそ笑んでいる



2013/7/7(SUN)
6月の気持ちのいい明け方
惰眠になお浸りたくて
目覚めながらなお目を閉じたまま
じっとしている
温んだ水の中のオタマジャクシのよに

「だめだな、こりゃ」
かすかだがはっきり、となりがつぶやいた
コリコリ音がして、起きているらしい
「何がダメなんだ」
聞きたい気持ちを抑え
   →ねむくてだめだ。明日ね。

2013/7/6(SAT)
自分がイヤになる
誰が悪いんでもなく
例えば 今日
彼女となんの接点もなく
思いの結果だけを知らされ
おれとのあいだにどんなロマンチックもない
それを気づかないおれ
なんともできないおれ
ただ「わかった」と言うしかない
(自分がイヤになる)
ぼんやり無口な休日
窓の外 風に***の葉が踊る
ガラスに雨だれが体当たりする
お似合いだ


記号について


×(バツ)と×(掛ける)って、どうして同じ×なんだろう
意味することもちがうのに
×と+って、ちょっと角度が違うばっかりに、
まるでちがう顔してるんだね
×より+のほうがいい、なんてだれも言ってない


ところで
君は、いきなり×を見て、
バツだと思う? それとも
掛けるだと思う?



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日記帳(3) v1.02.00 エース (素材協力:牛飼いとアイコンの部屋)