待っている待っている時間は何もしない待っている時間の活動は待っていることだから目は何かを刺し 耳は這うように広がり鼻はブツブツ唱えているが目を閉じ 耳を押さえ 鼻に洗濯バサミを噛ませろそうしないと用のないものをとらえ、聞き、嗅ぎ分けて手足に命令を下すしなくてもいいことをしろと待っているただ待っている何もしない待っているだけという半分死んだような至福の一時用のないものってなんのつもりだろう
ichinichigotonishinichikazuku いちにちごとにしにちかづく一日ごとに死に近づくこんな自明のこと間違って半角英数で打って平仮名、それを見てわかように漢字を入れて書き直すこれで日本語これが日本語だ一日ごとにしに近づく、は一日ごとに詩に近づくじゃないのかい死は避けようもなく万物に降りかかるもの考えてもいいけど ことさら考えなくてもいい明日を上るか下るかで考えるなら最後の日の明け方まで右肩上がりを志したい君は詩も書くのだから一日ごとに詩に近づくとなぜ書けぬ詩?詩ってなんだ?おれが書いているものは送られてくる同人誌にあるものは詩かだれがそうだといいだれがそうじゃないという?詩がわからない以上詩に近づいているかわからないただ、その意識を持つこと持ち続けること好きな詩は自分より先を歩いているそれを目印に歩くんだね知らないうちに詩に少し近づいているかもしれない
6月の気持ちのいい明け方惰眠になお浸りたくて目覚めながら目を閉じたままじっとしている温んだ水に浸るオタマジャクシのように「ダメだな、こりゃ」かすかだがはっきり、となりがつぶやいたコリコリ音がして、起きているらしい「何がダメなんだ」のぞきたい気持ちをたたみ思いの蔓を好きな方向に遊ばせるパッチワークの色合いの?デザインの?つまづきか終日来開いているミステリーの筋の運びか机の上のホタルブクロの肌合いか窓越しに空を仰ぎ、にわか気象予報士の弁か机の上の人間ドッグの結果報告書を見てのひとことか(だとしたら一大事!)それともまだ覚めやらぬ夢の恋愛劇の結末かそれとも冷めた目で見据えたオレたちの 関係性についての予言か「ダメだな、こりゃ」目を開け、首をひねれば正体は知れるのだがことばの形にしないで このまま6月の気持ちのいい明け方 ひそかにひとりほくそ笑んでいる
6月の気持ちのいい明け方惰眠になお浸りたくて目覚めながらなお目を閉じたままじっとしている温んだ水の中のオタマジャクシのよに「だめだな、こりゃ」かすかだがはっきり、となりがつぶやいたコリコリ音がして、起きているらしい「何がダメなんだ」聞きたい気持ちを抑え →ねむくてだめだ。明日ね。
自分がイヤになる誰が悪いんでもなく例えば 今日彼女となんの接点もなく思いの結果だけを知らされおれとのあいだにどんなロマンチックもないそれを気づかないおれなんともできないおれただ「わかった」と言うしかない(自分がイヤになる)ぼんやり無口な休日窓の外 風に***の葉が踊るガラスに雨だれが体当たりするお似合いだ 記号について×(バツ)と×(掛ける)って、どうして同じ×なんだろう意味することもちがうのに×と+って、ちょっと角度が違うばっかりに、まるでちがう顔してるんだね×より+のほうがいい、なんてだれも言ってないところで君は、いきなり×を見て、バツだと思う? それとも掛けるだと思う?
記号について×(バツ)と×(掛ける)って、どうして同じ×なんだろう意味することもちがうのに×と+って、ちょっと角度が違うばっかりに、まるでちがう顔してるんだね×より+のほうがいい、なんてだれも言ってないところで君は、いきなり×を見て、バツだと思う? それとも掛けるだと思う?
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