2015/6 [HOME]

++ 日記 ++

2015/6/30(TUE)
きのう、Iさんと、キス釣りに行った。波が荒く、そのせいか2匹しかつれなかった。ただし、1匹は大きい。餌をもらい、またおれのも残ったので、冷蔵庫に入れておいたら、何と、使えた。そのきのうのえさで、30匹釣った。10,2,3センチと小さいが、あんな、「鱚の入れ食い」なんて、初めて。

2015/6/29(MON)
055
5月の
いい天気の10時半には
読みかけの文庫本を指にはさみ
レースカーテン越しに差し込む光で
殺人犯を追いかける


5月の光は右のページを斜めに照らし
左のページに目が移ると
影から文字が浮き立つように
右手の指に持ち替える
真上の蛍光灯など不要


窓の外は一面光の眩しさ
この部屋は光とその影が
貝やお面や掛け時計などの実在を見せている


5月の朝10時半
犯人は眩しさを嫌い
影が幾重に重なった闇に潜んでいるのか


たとえ警察犬を引きたて
ていねいに足跡をたどろうとも
犯人はページに隠れて今なお行方知れず

2015/6/27(SAT)
060-4
顔をあげると
白いレースのカーテンが風でたわみ
陽の光の池をつくっている
水面にタブの木の若葉が
チラチラ影を落としている
風がやむと影たちは黙り
風が立つとにわかにおしゃべりを始める

 汐のにおいがするね。きっと海の出番なんだ。
 太陽がオレンジ色になるんだって。
 海に沈むんだって。
 見てみたいな。

だが、6月20日過ぎを境に
陽の光は毎日蟻の一歩ほど削り取られる
道を帰る影もひたすら地に近くなる
それがどうしたって?
今日は今日で終わり
右の太ももの内側を蚊に食われた
それが今日のレシート

2015/6/25(THU)
060‐3
顔をあげると
レースのカーテンが風でたわみ
陽の池をつくっている
水面にタブの木の若葉が
チラチラ影を落としている
風がやむと影たちは黙り
風が吹くとにわかにおしゃべりを始める

 汐のにおいがするね。もうすっかり海の季節だね
 きのうキスをあげたよ。まだこんなだけど

6月も20日過ぎの今が一番、陽の手足が長い
これからはずうっとだ
蟻の一歩ほどずつ一日から陽が削り取られ
地面に落ちる影がうすくなっていくのは――
 

2015/6/24(WED)
060‐2
顔をあげると
レースのカーテンが風でたわみ
陽の池をつくっている
水面にタブの木の葉っぱが
チラチラ影を落としている
風がやむと影たちは黙り
風が吹くとにわかにおしゃべりを始める

 汐のにおいがするね。もうキスの季節だね
 きのうあげたよ、5ひき。まだ、ジャックナイフほどだけど

人間の方面では
6月も20日過ぎの今が一番、陽の手足の長いとき
これからずうっとだ
蟻の一歩ほどずつだが陽が一日から削り取られるのは――
 

2015/6/22(MON)
060
顔をあげると
レースのカーテンが風でたわみ
光の池をつくる
そこに窓の外のタブの木の葉っぱが
影を落としている
風がゆるむと影たちも黙り
またふくとにわかにチラチラおしゃべりを始める


 汐のにおいがするね
 もうキスの季節だね
 きのうあげたよ、5ひき
 まだ、ジャックナイフほどだけど


6月も20日を過ぎて
今が一番日の長いとき
これから蟻の一歩ほどの巾で
日の光が削り取られるのだ――
 

2015/6/17(WED)
059
梅雨に入る前のいい天気
前から約束していた「ざっこしめ」に行った
網とバケツもって、長靴はいて、
みゆきとたくろう、聞きながら
もはやU字こうでない流れはなく
5ヶ所目でやっと、ここならいいかも
カワニナにヤゴ、オタマジャクシがボツボツ
何回目かにドジョウが2匹
風の流れに乗り携帯が鳴る
具合が悪くてコーラスを休んでいる女性
ハガキアリガトウ、キリョクガナク、ヘンジガカケナカッタ、
マタクルデショウ?ワカラナイ、ヤメルノ、ウウン、モウイケナイカモ、ゼンゼンコエガカスレチャッテ
青い空
遠くで雷が聞こえた
世界は共存している
不安と希望
背中の杉林がせまる
入道雲がくずれる
何をきけばよかったのだろう
ききたいことばが逃げる
逃げたんだ おれは
腕は流れの底をさらい
網を引き寄せる きらり
鱗が光る雑魚二匹

2015/6/16(TUE)
059
梅雨に入る前のいい天気
前から約束していた「ざっこしめ」に行った
網とバケツもって、長靴はいて、
みゆきとたくろう、聞きながら
もはやU字こうでない流れはなく
5ヶ所目でやっと、ここならいいかも
カワニナにヤゴ、オタマジャクシがボツボツ
何回目かにドジョウが2匹
風の流れに乗り携帯が鳴る
具合が悪くてコーラスを休んでいる女性
ハガキアリガトウ、キリョクガナク、ヘンジガカケナカッタ、
マタクルデショウ?ワカラナイ、ヤメルノ、ウウン、モウイケナイカモ、ゼンゼンコエガカスレチャッテ
おれはどうするんだ
背中の杉林がせまる
入道雲がくずれる
何をきけばよかったのだろう
ききたいことばが逃げる
逃げたんだ
腕は網を引き寄せ、網の底にきらり
鱗が光るざこ二匹

2015/6/15(MON)
ここに何か書こうとすると、いつも最後のほうで眠くてたまらなくなる。なんでだろう。一日の最後なので、脳も疲れ果て、筋肉に命令するのをさぼっているのかな。
058
零時10分前
静かさが聞こえる
グラスのガラスの音色も
テニスボールの記憶のはばたきも止んだ
この静けさに拮抗する静けさをおれは持てない
目はざらつき
心臓は一人遊びに興じ
頭蓋のどこかで言葉がかくれんぼしている
この静謐を壊すのは明らかに犯罪である
(虹が出た)
きょうはここまで。


2015/6/14(SUN)
きのうは公益大の人たちと飲み会。
「ささき」と「ラヴィ」。酒田だと思えないハイセンスを感じさせる店。あれはなかなかできないと思う。ああいうところは雰囲気だからね、大切なのは、詩もそうだけど。
「詩学の友」出来上がる。宣伝を口実にメールを書こう。
057
コーヒーを口に含む


これも歴史に刻印されるのか


一滴の水の中の一条のバクテリアのラセン体
想像は勝手だが生育か正確さには程遠い


私のイスは?
わたしの座るイスはどこ?


2015/6/8(MON)
おおよそ40年前にニューヨークのメイシーズというデパートで買ったジグソーパズル。一番難しいやつと注文して、探してもらったやつ。白の下地に黒の線で漫画チックな裸の男女の絵がびっしり書いてあるやつ。確かに難しい。一日に2,3しか見つけられないこともある。じぶんの形態把握能力が頼りないことを示見せつけられる。
へニング・マンケルの小説にこのパズルのオタクが出てきて、刺激された。何回目かの挑戦。何回目かでも「挑戦」なんて言ってるところが、シロート。

2015/6/1(MON)
056
「おれはあの人のやさしさに勝てない」
この時のやさしさとは、なんだ
小説の中の女性について書かれた一言
急に「やさしい」が虹のようにきらめいた
だが、虹は見えてもつかまえられないもの
つかまえられない
虹も
女性も
やさしい、も



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