2014/6/7(SAT)
木坂さんから送ってもらった詩集のうち、1冊をグリーンベイで読み始め、読み終わる。簡潔にして的確な描写。なんでもない光景なのに、えもいえぬ味わいがある。それで一気に読んだ。つくりもののくささがない。何よりそれが輝きだ。安心する。これでいいんだ。
★そしてあるとき
眠りたければ眠れ 無理に目を開いて 見たくないものを見ることもない
というフレーズが浮かんだ どんな脈絡もなく ただふいに浮かんだのだ
ことばって必要に迫られて浮かぶのではないか なら、このフレーズがおれに必要だというのか 窓の四角の右上から斜めによぎった白い鳥 予告もなく目の中に入る そのように フレーズもいきなり入ってきた
風の強い午後 軽快なピアノで充たされたおれに
★おれ
ふとんから出る前に 目をとじる 女の人が浮かぶ 好きなんだろう きらいなら浮かばない その人と話をしようとすると いつの間にか別の人になっている 先の人より胸が大きい 胸をはだけさせようとするおれと 朝っぱらからなんだというおれが向き合う その人がぼんやり消えて 自転車に乗った外国の女が右手を上げる ハロー そのサドルがジンワリぬれている さわやかとはいえない匂いもする これがおれなのか ゆめならさめて、イヤ、さめるな おれでないだれかにヘンシンしたいのか 目をとじているおれを制して 目をあけるおれ
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