2018/4/19(THU)
<不在の夏>
届いたばかりの 君の手紙を読みながら 米をとぐ こちらはまだ蝉の声も聞こえません。 どうしていますか。私はあれから… といでもといでもあふれてくる白い汁を 透明になるまで指の間からこぼし 水の量をキッチリ計って 仕立てたら 手のひらの水気をぬぐって また読む
柔らかくたわんだ夜のひらがな カタカナは見たことのないしぐさで たどりたいたどりたくない漢字の迷路を レンジの上の片手鍋に入れて 火をつけ のぼってくる思いを フーフーしながら味わっていると ふいに固くしばった結び目がほどけ ノックもなく 不在が駆け込んできて 肩といわず腹といわず 吹き出た汗の玉が かたっぱしから冷えていく
30年も昔の書きかけのやつに加筆
|