2016/4 [HOME]

++ 日記 ++

2016/4/29(FRI)
113
机の上にはさみがある
いつ使ったのだろう おぼえていない
今日も使ったのだけど
いつからここにあったものなのか
あるものはずうっとあった
のに
おまえ、だれ?


ちょんぎっちゃうぞお

112

番号だけ先に打っておく


お花見の席取りのように
中身はさておき、体裁をつくろおうとする


雨は上がったが、桜は散った
ちょっと浮かれてちょっと沈む
桜はこれからどんな気持ちで一年近くをしのぐのだろう
いや、案外ホッとしてるかも
人猿が勝手に浮かれて
愛でてくれと頼んだわけじゃあるまいし、と


はなびらを落として体裁を返して作り笑いをかくして
ふう、やっと落ち着いた

2016/4/18(MON)
112

番号だけ先に打っておく


お花見の席取りのように
中身はさておき、体裁をつくろおうとする


雨は上がったが、桜は散った
ちょっと浮かれてちょっと沈む
桜はこれからどんな気持ちで一年近くをしのぐのだろう
いや、案外ホッとしてるかも
人猿が勝手に浮かれて
愛でてくれと頼んだわけじゃあるまいし、と


はなびらを落として体裁を返して
ふう、やっと落ち着いた

2016/4/12(TUE)
111
もうすぐ一日が終わる
終わって一息つきたいところだが、
深呼吸する間もなく新しい一日が始まる


どっかに時間と無関係の休みを入れてほしい
背中から聞こえる時間の足音から離れたい


新しい一日
って、どこが新しい
一日だけ新しくてそれでいいのか
だが
一日が終わった拍子に新しい一日なんて
目覚まし時計の電池みたいに
体も心も瞬時に切り替えるなんてできないよ


新しい一日が始まった
きのうと変わらないように見えても
今日生まれる子供が産声を上げ
今日孵化する蝶々が空を舞い
きょう成功する実験がニュースになり
今日作ったことばを組み立て
きのうなかった詩を一つ書く



2016/4/6(WED)
107
不明な番号がメモ用紙にある
たぶん携帯の番号
それは不明である限りおれにまとわりつく
クモの糸みたいに
あやしく光りながら


108
くろっかす
クロッカスが咲いている
去年まで春先チラと見て
すっぱり忘れていたのに
クロッカス
なにがどうした
けれど 今朝クロッカスにさわった
はなびらをなでた それで
なにが起きるわけでも
変わるわけでもないのに
紫のクロッカスにふれた
それはおれだけの秘密なんてもんじゃない
けれど その瞬間を刻んでおきたかった
どこかに


109
きれい
と花をほめる
花はうれしいのだろうか
うごけない話せないのをいいことに
ほら、花も笑ってる、なんて
110
セメントの壁に沿った
西向きの光しか入らないところで咲いたクロッカス
半開きが
なにか言いたげ
なのは勝手なおれの解釈か
と思いつつ やっぱり
言いたいことはないのかい、と
思わなくてもいいことを思い
つぶやかなくてもいいことだからとつぶやかず
けれど
けれどと言いたいがことばがこんがらがって
こんぐらがって 落ちてこない、んだ










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日記帳(3) v1.02.00 エース (素材協力:牛飼いとアイコンの部屋)