2015/4 [HOME]

++ 日記 ++

2015/4/27(MON)
049
テレビを消した
日曜の昼ご飯にこんなニュース
行方不明の少女・・・土中から遺体で見つかる
今もどこかで人が殺されている
強いられてこと切れる命
それがだんだん近づいている
ミステリーノベルがあふれて
人はオブラート越しの殺人を楽しむ
このほろ苦さがうまいんだ
ふたりの子供がいれば
まいにちまいにちまいにち
せんたくせんたくせんたく
一日をきれいにしようと
だがまるっきりきれいにならない
まるっきりきれいにしたくない
日曜の昼ご飯にこんなニュース
見たくない
見たい

2015/4/25(SAT)
早朝のわらび採り。なんとか1,2食食べる量だけ確保。
048
<立てかけておいた本の運命>
本を読み終わり ねぎらうように 立てかけておいた
立てかけるべき箇所へ 直角に近い角度で きのう寝る前に
ところが今、傾き度は低くなっており それが気になる
一旦気になると 気になって仕方なくなり 女がダダをこねてる
なんて比喩を思いついたりする そもそも
「立てかける」という言葉から言って 垂直に立つわけもなく
耳を澄ましてみると 「『たてかける』という語が持つ傾き度」を把握していないから こんなことになるんだ」という
へたった本のつぶやきが聞こえる。

2015/4/23(THU)
ヘニング・マンケル、読みはじめる。いい、肌に合う、人間がたしかにいる。
047 かな?
誕生日が来て、過ぎていった。
そんなものどんな意味があるか。
あるものか、と、
つまり、意識しているのだ。
65だからな。
65だってさ。
ふん、たかが数字だ。
どうして数字は一つ一つ過ぎていくのだろう。
数えられない、数えなくてもいい数字はないのか。
なら、
おれの数字は君に返すよ。
捨ててもしまっておいても
好きにしてくれ

2015/4/15(WED)
046
朝は朝を破る暗がりを宿している
夜は夜を破る光の卵を


目の前の赤いりんごは
赤じゃない色を
りんごじゃないジュースを


彼の中に彼を破る鋭い爪があるはずだ
そうして月が満ちれば
彼は彼の知らない新しい歌を歌うはずだ

2015/4/14(TUE)
045-2
小説の中の「まゆ」という字の
クサの下のモンの中がはっきりしない
どんなだっけ
当てずっぽうで
まゆは虫で、糸を吐くのだ
そう書いたら果たして当たっていた
ただし、糸を吐く、そんな虫
左右逆だったけど


中にはきっといるだろう
気まぐれやへそ曲がり
「おれは君らとちょっとばかし違うんだ」なんて
小さく自己主張している虫が

044-3
スピーカーから流れる女性の声
ユ ギブ ミ フィバー
この声ぜんぶひとり占め
スピーカーから放たれておれにつかまり
奥にある蔵に記憶となって留まる
ならば
指を伸ばしてコーヒーカップをつかむのは計画されたことか
傾けてのどに送るのもカップをトレイに置くのも
誰か跡をなぞっているのか
ユ ギブ ミ フィバーも
このコーヒーの苦味もオーロラのようなざわめきも
だれかのコピー
おれだって なにかのコピー
だから あばよ
心配するこたァないってことさ
明日の道を踏み外すこともないだろう

2015/4/13(MON)
045
印刷された「まゆ」という字の
クサの下のモンの中がはっきり見えない
当てずっぽうで
まゆは虫で、糸を吐くのだ
そう書いたら果たして当たっていた
ただし、糸を吐く、そんな虫
左右逆だったけど


中にはきっといるだろう
気まぐれ、へそ曲がり
「おれはちょっとばかし違うんだ」なんて
小さく自己主張しているやつが

044-2
スピーカーから流れる女性の声
ユ ギブ ミ フィバー
この声ぜんぶひとり占め
スピーカーから放たれておれにつかまり
おれの蔵に記憶となって留まる
ならば
指を伸ばしてコーヒーカップをつかむのは計画されたことか
傾けてのどに送るのもカップをトレイに置くのも
誰かのをなぞっているのか
ユ ギブ ミ フィバーも
このコーヒーの味も聞いて感じたものもだれかのコピー
おれだって だから
あばよ
まあ、心配するこたァないってことさ

2015/4/12(SUN)
堂場瞬一の「鳴沢了」ものに傾いてしまっている。
だけど、つまらないといいそうになるのもあるのだが。
鳴沢了に、人臭さがないからか。
阿部としゆきさんの水彩に魅力を覚える。何でもない風景がいい。あまりに具体以上の具体だが。
044
スピーカーから流れる女性の声
ユ ギブ ミ フィバー
この声ひとり占め
スピーカーから放たれておれに

2015/4/8(WED)
043
たとえばコーヒーだ
35日前までコーヒーが飲めなかった
おいしい匂いのそれを喉に流すと
4分後雪崩れに襲われ
赤くぬるい水が我先にあふれる
気がする。気がするだけ、実際は
知らない。


あの砂漠には黄色い縞模様の蛇がいて
 新月の夜おれを呼び寄せたくて砂ダンスを踊る。
 月に続く砂の稜線 青い光を浴び狂う蛇
 おれはどこかに座り、これは実際ではないとつぶやく実際。


ずっと以前はおいしくコーヒーを飲んだ
フリーズドライのインスタントでも
ペーパーフィルター越しでもコーヒーと
言い張るなら、それを信じ、
言い張ることで信じることができ
それにおぶさってゆっくり眠れた


彼女の詩にも飽きてきた
かつてのあの衝撃はもうなく
メダカの餌ほどにも味気ない
いつか、だれかと、どこかへ、バラバラにひきちぎり
他人任せに組み合わせると、
あるいはあの砂漠へ、サボテンの花、黄色い縞、蠍、それに
蜥蜴の舌。

2015/4/6(MON)
042
あの庭のクロッカスはもう消えていた
つぼみを愛でてそれっきり
たぶん黄色それに紫
さぞ見てほしかっただろうに
よし、じゃ、今夜、おれんとこに来いや
過ぎ去る時なんて気にせずに
おれは君を子細に眺め
君はおれを黙って見つめ
照れちゃうぜ
なんてね
おお、クロッカス!…あの庭の、今年の…

041-2
冬と春の境目で
窓のガラスがめざめ
さかなの目がふくらみ
ジーンズがかわく


冬と春の境目で
ハモニカが自らをみがき
爪切りが思い出をおとし
ボールペンでひいたラインがまるまる


ふしぎだ
さっきまで吹雪だった道を
花吹雪が舞うなんて
ふしぎだ
縮こまっていた心が
こんなに浮き立つなんて

2015/4/4(SAT)
042
今日は暖かく、鳥海山がクッキリ見えた
鳥海山を見るたびに胸のあたりが熱くなる
なぜかわからない
(寝る時間です)

2015/4/2(THU)
041
冬と春の境目で
窓のガラスがめざめ
さかなの目がふくらみ
ジーンズがかわく


冬と春の境目で
ハモニカがおもいだされ
爪切りがみがまえ
ボールペンでひいたラインがまるまる


ふしぎだ
冬があって
春があるなんて
ふしぎだ
冬のあとの春が
こんなに恥じらってるなんて

2015/4/1(WED)
屋久島から、きのう帰った。
スケジュール目標達成。いい旅だった。
040
縄文杉は霧の中、神々しく手を合わせるしかなかった。。
浜辺の砂は白く粗く、そのそばにワラビが生えていた。
浜辺に貝はなく、紫のイモ貝とタカラ貝を岩場で拾った。
苔むす森の「むす」って何だろ。疑問をころがしながら下った。
虫はなく、鹿と猿が逃げることもなく現れては消えた。


この旅がおれに何をもたらしたか、なんて、
考えなくていいからね。



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