2005/3 [HOME]

++ 日記 ++

2005/3/28(MON)
今日、Nさんという、前の日本語学校にボランティアで来ていて、マレーシアで日本語を教えてこちらの男性と結婚した人の案内で、初めて車で遠出をした。
チャイナタウンでワンタン麺を食べ、市場を散策し、かき氷を食べた。小汚い屋台の店で食べたワンタン麺はおいしかった。かき氷も氷のきめが細かくて、ハニー・デューの甘さも適度で、安くて(70円ぐらい)やっぱりいい。その後、映画 「エントラップメント」(ショーンコネリー主演のサスペンス)の舞台 となった「KLタワー」に行った。その中にに「伊勢丹デパート」が入っていて、すご い賑わい。食料品の寿司のところには握り寿司が1こづつ売っていて、ウニ以外は大 体あるようだった。なんかわけのわからないものもあった。それから、紀伊国屋書店に行って、マレー語の辞書とKL(クアラルンプール)の地図を買った。さて、帰ろうかというときになって外を見ると、すごい雨!ホントに見とれてしまうほどの、傘なんて頭以外は役に立たないというほどの、スコール。いっそ気持ちいい。
その雨も数十分後には上がって、たちまち道も乾く。


毎日、朝おきて、ここはどこだ。あっ、ホテルか、KL(クアラルンプール)か、の繰り返し。部屋はいつ見つかるか。

2005/3/27(SUN)
今日でやっと3日目だというのに、1週間もたったような気分だ。そしてやっとホテルのベッドでゆっくり眠れるようになった。ホテルはビジネスホテルのちょっといいやつという感じで、豪勢ではないが何も不満はない。ただ、シャワーしかないので、バスタブにゆっくり漬かりながら本を読むことができない。
今日も一日、部屋探し。探している途中で、スコールとおぼしきどしゃぶりの雨が降った。回っている間に感じたことは、住宅事情に関しては、日本は中進国のこの国より遅れているってこと。私たちの住宅手当の額は中の上ぐらいだと案内してくれる不動産屋さんはいうが、それで、プール、スカッシュコート、テニスコート、ジム、パーティールーム、サウナなどはごく普通についている。部屋の大きさは大きすぎて、一人ではさびしいと感じるほど。
ま、ところによっては、水漏れなどの事故もあり、シャンデリアが落ちてきたコンドミニアムもあるそうだけど。

2005/3/24(THU)
クアラルンプールにいる。そこでホームページに書き込みをしている。IT世界の感覚では当たり前なんだろうけど、どこか不思議だ。
やはり暑い。温度は32度ぐらいなのだけど、空気の粒に詰まった暑さがはじけて絡み付く感じ。
イスラム教国だから、女性は肌を隠し、こんなに暑いのに頭にスカーフを巻いている。接したことがなかったので、無機的な印象しかなかったが、今日大学の事務員やデパートの店員の彼女らと接して、なかなかチャーミングだと感じた。笑顔が自然でいい。
このインターネット・カフェの料金は1時間4リンギット、120円ほど。今日はここまで。

2005/3/22(TUE)
とうとうこの日が来てしまった。
新しいものに向かおうとする<積極的、楽しみ、好奇心、ヨシッ>って気持ちと、離れていくものへの<さびしさ、心残り、疎外感>の気持ちが、綱引きをしている。
ま、30分後、家を出れば、もう後ろは見ないけどね。

「じゃ、さよなら」
これはだれに向かって言っているのだろう。
今はメールなんて便利なものがあるからね。
別れの緊張感が足りない!
世界が小さくなって、
朔太郎か夢見た「旅情」なんて、味わいにくい。
でも、私は今から2年間
「旅の上」です。
沢木耕太郎の「深夜特急便」的心持ちを半分、あと半分は仕事に邁進するつもりです。
じゃ、セラヴィ!

2005/3/21(MON)
23日の朝10時30分のフライトだから、あすの晩は成田のホテルに泊まることにした。ということで、日本で書く「日記」も今日が最後かもしれない。

ここ数日は「〜〜するのは、今日が最後」的なことが続いた。
おすしを食べるのは今日が最後、仲間とテニスをするのは今日でおしまい、ワンタンを作るのは・・・といった具合に。まるで、末期的症状の患者へのお見舞い、といったところ。そんな大それたことじゃないのに。
   *   *   *
「写真日記」の方の詩に手を入れてみる。
1が初稿、2が今、手を入れてみたもの。
手を入れたからって、よくなるとは限らないのに、ダメなところが目に付いて、いじらずにいられない。

 バイク−1
きのうはバイクだった
黒とシルバーで飾って
バネをきかせて待ちかまえていた

焼かれてきょうはなんでもない
冬のひかりが冷たい
けれどなんだか解かれてホッとしている

明日に期待しなくていいって
いい

 バイクだった−2

きのうまではバイクだった
黒とシルバーで身を飾って                
飛び立つときをねらって低く構えていた

焼かれてきょうはバイクじゃない
なんでもないものに冬のひかりが冷たい
けれどなにか解き放たれたようで関節がホッとしている

期待することも
されることもないって
いい

2005/3/19(SAT)
晩ご飯に「ワンタン」を作った。姉と姪が、離日前にオレの顔を見に来たので、オレも最後に得意のワンタンを作った。
どうも、オレのワンタンは評判がいい。きょうのは特にうまかった。今までも(心から)「おいしい!」と言ってもらっていたが、具の舌触りが悪かった。そこで、きょうはひき肉を丁寧にたたいて、ようく練ったら、舌触りも滑らかで、うまくいった。
あとは、たたいて割って、塩でもんで、ゴマ油、ニンニク、唐辛子をいれて、冷やした「たたき胡瓜」。

「写真日記」の写真につけた詩をチェック。

 <あたま>→かっこワル。「青の皿の上の魚の頭」は?

これは食べ物ですか、生ごみですか。
これは魚と言えますか、魚とは言えませんか。
これをのせた皿はいつまで皿でいられるのでしょうか。
縁が欠けたら・・・まだ皿でしょうか。
4分の1欠けたら・・・まだ皿でしょうか。
半分欠けても・・・皿でしょうか。

あなたはいつまでヒトですか。→ここも面白くない。
あなたはいつから生ごみですか。

⇒あなたはヒトですか。
 いつまでヒトですか。 
 いつから生ごみですか。

この日記の、文字の変え方がわからないので、わかりにくいかもしれないけど、すこしはよくなったかな。

2005/3/16(WED)
今日からBlosxom Weblogの「絵日記」も始める。主にマレーシアの風物と人々の生活ぶりを中心に載せるつもり。
この件では、清水鱗造さんにとてもお世話になった。大家さん、ありがとうございました。

桜が見たい。
見られないと思ったら、よけい見たい。
叶わぬ恋とはこんなものか。
叶わないことで高揚した気分でいられるのなら、
恋よ、夢よ、叶うな!

2005/3/15(TUE)
12日の横浜・中華街食べ歩きの最後は尻切れトンボになっている。そうだった、眠くて眠くて、どうにも我慢できなかった。何度か突っ伏して、目を開けて、また落ちていって・・・たまにある、そんなことが。

恥さらしついでに、せっかく(?)日本を離れるわけだし、今まで作った「俳句」なるものをまとめてここで公表しようと思う。
去年の6月ぐらいから月1回の吟行俳句会に参加している。白川宗道氏主宰で、「J句会」という。詩人で、俳人でもある中上哲夫さんに誘われて、オズオズ参加してみた。俳号は雲呑(ワンタン)亭。俳人と詩人、半々ぐらいで、詩人では川端進さん、関富士子さん、清水鱗造さん、茂本和宏・伊東唯夫妻など。俳人はセミプロだし、みんな上手で、とてもかなわない。という言い訳を用意しつつ、並べてみる。

・雨あがり薔薇にしずくの森茉莉忌 

・シャボン玉落ちて芝生に声あがる 

・蛇坂に喪服の女あり貸し間あり 

・知らぬ間に影が溶け込む秋の暮

・冬青空春夏秋の悔いを吸い

・墓石のひとつは春の雪帽子 

・いつまでと問うことなかれ残り蝉

・草むらに耳立て今年の秋になる

・どっちから来たと問アキアカネ雲

・エトランジェすすきの原に迷路あり

・春まぢかとは言いがたし霜砕く

・地の熱も木の雄叫びも銀ふさぐ

・雪が舞うこわれたように雪が舞う

・シベリア風恐竜の目で海を見る

・カーテンとサッシ戸引いて冬おわる

・冬の季語なきマレーシアへ旅鞄

マレーシアでつくる俳句の、季語はどうすればいいのだろう。
ま、いいか。


2005/3/12(SAT)
今日は昼から横浜中華街へ。同行は20代の女性3人。日本語教師、だった人。それにしても、こんなおじさんと遊んでおもしろいのかな。でも、う、うれしい。
初めて「みなとみらい線」に乗った。渋谷から、35分で「元町・中華街」の駅へ。あれ、もう着いたの、と思うほど速い。
ホームから上る長いエスカレーターがかっこいい。

半年ほど前、ある週刊誌の記事「中華街を食べつくす」で紹介されていたお店に行きたいと思っていて、そのページを切り抜いてもっていたので、その中から選んで、食べ歩くことにした。
1軒で少しずつ食べて、結果3件をハシゴした。
雑誌の情報は外れることも多いが、今日はどれもおいしく、満足した。
特に「上海豫園」の小龍包は文句なし。4種類頼んだがそれぞれに味わいが違う。小さい店だが、リピーターになってしまいそうな、罪な店。
あとは「杜記」の刀削麺も「謝甜記」のお粥も、期待にたがわずイケた。

2005/3/6(SUN)
最近は詩に触れてない。書くことも読むこともしていない。
「熱が引いた」ようだ。これが一時的なものか、永続的なものかわからない。20年前に台湾に行ったときは、徐々に詩から離れ、2年近くいた後ろ半分の1年は、ゼロだった。「これで書かなくなるんだったら、自然に別れるのなら、それはそれでいいや」と思っていた。けれど、帰ってきて、一人住まいの中でいつか、書いてしまうのでした。
今回はどうか。今の気分は、詩よりか俳句に惹かれている。それも「熱烈に」とはいかないけど。
やっぱり、マレーシア絡みのこと。図書館から7,8冊借りてきて並行読みしてる。それと、マレー語をCDを聞きながら、やり始めた。発音と文法がわりと簡単で、とっつきやすい。

あとは「沈黙の艦隊」をブックオフでデラックス番捜し求めて読んでいる。マンガとはいえ、あの創造力はすばらしい。今更おそいけど。女性が一人も出てこない、男だけの政治劇画。「政治家、かくあるべし」と感じさせられる人間が描かれている。

2005/3/2(WED)
毎日、いそがしい。仕事やめて、マレーシアに荷物を送って、健康診断、予防接種も終わり、パスポートや出国関係のをお任せなら、ヒマだろ、と思うのだが、これがなぜかバタバタ、落ち着かない。(ほら、文章も、句点が多くて、おちつかないったら)
これを機に、ってことが多くて。例えば今日は、数年間たまっていた小銭をガラスのビンからぶちまけて、数えて、1000円ごと、100円ごとセロテープでまとめて、厚い封筒に入れて、銀行に持っていった。重い。これが、30000円アップ。ちょっとしたもの。少し気も軽くなった。

あとは確定申告と国民年金の口座振込みの手続き。善良な市民?

それにゴミ出しと飯作り。牡蠣と豚肉とセロリの中華飯。セロリを刻んで、たくさん入れたら、うまかった。



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