2009/2 [HOME]

++ 日記 ++

2009/2/27(FRI)
25日、水曜日、日本時間ではおととい、ハノイ時間ではまだ30分だけきのう、の晩、インテンシブコースのみんなと打ち上げ飲み会。アヒル料理。なんと言うか、どう料理したかわからないものが数品、ワイルドにドカッと。ビールとウォッカ、生のままでガラスのお猪口でグイグイ。最後は鍋。アヒルに例のゆでた有精卵。それにたっぷりのタデなどの香草。それから、カラオケ。けれど、ベトナムの曲ばかり。歌える歌がなくて、早めに帰宅。着いたら酔いが回り、すぐ寝る。

2009/2/25(WED)
酒田を舞台にした映画「おくりびと」のオスカー受賞のことは、きのう書きたかったな。熱いうちに、あっちっち、うれしい!と言いたかった。

今まで、隣町の鶴岡に、藤沢周平(大好きなんだけど)の3部作の舞台としてナンカ差をつけられていたのに、今度はモロ酒田、鳥海山(月山も出てくるけど)、小幡、港座、日光川・・・とスクリーンに大写しにされて、いや、何より「たそがれ清兵衛」でとれなかったアカデミー賞というビッグな賞をとったんだから、ナンカすっきり。と、世知辛いこと、書いてますね、あたしゃ。

さて、と入り口に立ち
着ているものを脱ぐ
全部脱いで、ガラス戸を開けようって時に気づいて
「また忘れた。バスタオル、たのむ!」


毎日、同じ失敗の繰り返し
今のことだけに気を取られ
終わった後のことに思いが至らない
この分では


おれの人生が終わった後
ナニやらの川を渡ろうとするとき
川番のババさまが出す手のひらにあげるものがなくて
「とっとと取りにもどれ、このとんま!」
とどつかれて
臨死体験するんじゃなかろうか

2009/2/23(MON)
先週の金曜日、21日で担当のコースの授業が終わった。最後の日に、数人からリクエストがあった歌を歌った。森山直太郎の「さくら」と「翼をください」の2曲。イヤ、びっくりした。ともかく、全員がありったけの声を出して歌うのだ。知らない曲を数回聞いただけで覚えて、思いっきり歌える。いいなあ。これは君たちの最大の強みだよ。勉強時間は短いから、日本語で苦労するだろうけど、この元気、この素直さはいずれ君たちを救うだろう、なんてことを言ってしまった。最後の4人の発表が終わり、最後の日の終わりの挨拶は、吹き飛ばされるほど元気な「先生、ありがとうございました」であった。

2009/2/19(THU)
  さしたることもなかれども


天気、一日くもり。温度、不明。
風呂上りに扇風機を回すほどの陽気。
もう春、らしい。
ハノイ特有の、優柔不断なくもり空がこのところ続く。
雨、11月始めの洪水のとき以来、3ヶ月余、一切なし。
夏の水がめが心配、らしい。


道端の電信柱に立てかけたザボン売り。
15000ドンで一個買う。約90円。
市場で35000ドンだったから断然安い。
四角い包丁で厚い皮をむき、房ごとに切れ目を入れてくれる。
手練の早業。


晩ごはんは塩した鮭のカマを焼いたもの
近くのスーパーで見つけたレトルト
タロイモの味噌汁
きゅうりの和辛子漬け
それにザボン
房を指で開くと
ほのぼの甘い汁が飛び散るハノイの宵

  船上の人−2




車窓から海が見える
夕方の日本海
はるか沖に船がある
逆光にきらめく帯が船を包む


見えないが
船には人がいるのである
(その人がデッキでこの電車を見ている)

その人は西浜の砂丘地でスイカの苗に水をやる
その人は昼は市営図書館で新聞を読み、朝と夕方新聞を配る
その人は暗いうちに木魚をたたき念仏を唱え、夜カラオケで英語の歌を歌う
その人は川を上ってきた鮭の数を数え白子をあぶり酒を飲む
その人は幾百の焼きそばを作り夜の川へ鮎を刺しに行く


数年ぶりの帰省である
はるかなる船上の人に会いに行くように
大きなトンネルと小さなトンネルをいくつも抜け
浜風の町へ帰るのだ

2009/2/18(WED)
やっと荷物が届き、やっとCDプレーヤーが使えるようになった。近頃、旧市街のCD、DVD屋に行き、ジャズを中心としたCDを求める楽しみを見つけたこともあり、毎日うちに帰ると音楽を聴いている。今、かかっているのはサイモンとガーファンクルの「コンドルは飛んでいく」。いいなあ。いいなあには、懐かしさという麻薬がかなり含まれている。懐かしさは好きだが、浸りたくない。首まで浸かりたくない。中毒になりたくない。足湯ぐらいにしていたい。そして、自由な上半身を伸ばして、指先に今の音楽を、自分にとって新しい、知らない音楽を感じていたいと痛切に思っている、のであるが。

2009/2/16(MON)
今日は夕方から餃子を作った。
ハノイに来てから初めて。
おととい、日本食材の豊富な店に「皮」あったので、
きのう豚肉を買い、ミンチにしてもらった。
でも、ニラがなかったので、ねぎにした。
結果は、80点、合格。
ねぎもきちんと味がして、
客観的な判定をお願いした客人のHさんも
お世辞とは思えないほど何度も
おいしい、と。
これで、晴れて、「餃子パーティー」ができる。

2009/2/15(SUN)
  船上の人


車窓から海が見える
夕方の日本海
はるか沖に船がある
逆光にきらめく帯が船を包む


見えないが
船には人がいるのである
(その人がデッキでこの電車を見ている)


1年ぶりの帰省なのだ
まるではるかなる船上の人に会いに行くように
大きなトンネルと小さなトンネルをいくつも抜け
浜風の強い町へ帰るのだ

2009/2/13(FRI)
やった〜、か、あ〜あ、なのかわからないけど、やっと、やっと、まさしくやっと、荷物が届いた。9月3日発送したから、数えて5ヶ月と1週間。5ヶ月だぜ。近くのクロネコで300円で買った、まっさらなダンボールは、幾度も転がされ、ダンボールならぬ、ただのよれよれのボールになっていた。

さて、そのボールをうちまで運ぶのにタクシーを呼んでもらい、外で待っていたが来ない。郵便局の女性が、気を使ってくれて、バイクでどう?と聞くので、どうもって行くんだろうと思いながら、うなづいた。60センチ立方の、20キロぐらいのダンボールをバイクで、どうやって持っていく?
それは、後ろのシートに座って、右足を大きく広げ、その太ももに20キロを乗せて、右手で抑えていくんだ。なるほどと感心しながら、すれ違うバイク、自転車をすれすれで追い抜いていく。次第に手が疲れてくる。で、ついに狭いところを抜けようとしたときに柱をこすり、落としてしまった。あああ。もっと慎重に運転しろ、と心で毒づきながら、やっとこ持ち上げ、またひざに乗せ、ついたときにはもう汗だく。ズボンのダンボールを載せたところは真っ白。

イヤ、ハノイの人ってすごい。何でも、バイクで運んじゃう。アパートの近くが電気街なので、テレビ、洗濯機、果ては冷蔵庫も後ろに乗っけてひもかけて、運んじゃう。3人はおろか、4人、5人までは乗っけちゃう。今日見たのは、後ろに奥さん、赤ちゃんを横抱きにして、ご主人運転、その前に4,5歳の男の子を立たせて走る、というものだった。

2009/2/11(WED)
今日、昼に「バインセオ」を食べた。大学の近くにある小さい店で、小さいいすに座って、持込の「バインミー」と一緒に。ホーチミン風の大きいバインセオの店が閉まっていたので、ハノイ風の小さいそれの店に行った。バインセオは、ベトナムのお好み焼きとガイドブックに紹介されているおやつだが、うすい小麦粉の皮に包まれた、中にモヤシ、肉などが入っているもので、それを切って、香菜とともにライスペーパーに包み、甘塩っぱいたれにつけて、口に放り込む。(長い説明になった。)ハノイ風のそれは、皮が厚く、カリカリで、それはそれで、おいしかった。それと、バインミー、ベトナム風サンドイッチも、ケバブの肉とむらさきキャベツの千切りなどが入っていて、これにも満足。




  風呂場の腰掛けのよなイスに座って、日曜の朝


ソイを買おうと
目が合ったら、右手が容器を探りおこわを
バナナの葉の上にのせ、
デンブは?
ゴマ、ピーナッツ入り塩?
と目で聞くから首を縦に振って
「バウニュー」と値段を聞くと
ペチャペチャ言うからわからなくて
けげんな顔すると
まわりの
麺をすする人
お茶をのむ人
天秤に載せてサトウキビ、やきいも、知らない果物を売る人から、
いっせいにあれこれ声がかかり
かろうじてオマエドコノクニダ
が解読可能で
ニヤットバンというと
ホー
財布を開くと
おばさん、2,3枚抜き取り
ほらこれだよと目が言うので、
一応確かめ
少し高い気もしたが
日本円じゃ14,5円の違いだと納得させ
ここは大きい病院の前で
この人達は開くのを待ってる人達だとわかって
入り口の階段の下で
いつもテンビンにタナゴを

/大きい病院の前/
階段の下で/ホビロン/孵化しかかった有精卵のゆで卵/意を決して/小さい茶碗に2つ入れてくれる/女性のおしゃべり/テンビンおばちゃんの前/低いイス/薄っぺらのスプーン/黄色。白。茶色/塩。しょうがの千切り、タデ/8000ドン/

2009/2/9(MON)
日曜の朝/ソイを買う/塩味のデンブとゴマ、ピーナッツ入り塩/値段がわからなくて、ウロウロ/大きい病院の前/
階段の下で/ホビロン/孵化しかかった有精卵のゆで卵/意を決して/小さい茶碗に2つ入れてくれる/女性のおしゃべり/テンビンおばちゃんの前/低いイス/薄っぺらのスプーン/黄色。白。茶色/塩。しょうがの千切り、タデ/8000ドン/

2009/2/4(WED)
眠い。
このところ5時間ほどの睡眠が続いていたので、本を読みながらついまぶたがくっついてしまいそうになる。
眠ればいいじゃん。
そう、眠ろう。

2009/2/3(TUE)
アンコールワットへ2度は行かなくてもいいんだけど、家内が行きたがるから、しゃあない、ガイド代わりに行ってやるか、と、行く前は思っていたけど、帰ってきた今は、また行きたい。★アンコールワット、トムじゃなくて、それほど有名じゃないところ、観光化されていないところ、自然との闘いに敗れかけているところなどを回りたい。★「遺跡」なんて、なにがいいんだろ。古ぼけた石造りを前にして、心引かれる具体的かつ理解できるエレメントはなんだ。自分のその思いを分析できない。悠久の時に思いをはせて、云々はかけらぐらいはあっても主要なモチベーションじゃないしなあ。★おれはガラクタ、つまり日常の役に立たないものが好きなのだが、それは「いまやただの石のかたまり」にも共通する思いだろうか。ある種の哀しみか。あるいは、気取って、無常観か。

2009/2/2(MON)
ハノイで生活してみると、ここの街は他の街と違うと感じる。東京とも、クアラルンプールとも、バンコクとも台北とも。シンガポールとは対極にある感じ。まず近代的なビルはあっても、どこか垢抜けない。整然としていない、バイクがやたら多い、そして、天秤おばさんがあふれていて、何かみんなが何かの商売をしているみたい。特に女の人はかなりのおばあちゃんでも広い歩道の片隅に陣取って、タバコやお菓子や作家やお茶や、とにかく何かを売っている。みんな、自活している!体重計一つで、自転車の空気入れ一本で商売になる!バイクのキーを一つなくしたので、道端のおじさんに差し出したら、1分のしないうちにスペアを作ってくれた。1万ドン、60円。埃っぽいところはいただけないけど、セピア色の写真を見ているような街。

2009/2/1(SUN)
二週間のテト休暇が明日で終わる。
はじめの1週間はカンボジア、タイを旅行したが、あとの1週間は家にこもり、連日テニスのオーストリアン・オープンを観戦してすごした。ちょうど休みとこのグランドスラムが重なり。ラッキーだった。★杉山愛ペアは残念だった。まったく、ウイリアムズ姉妹はおそろしい。ウイリアムズ兄弟、といってもいいようなぐらいに力強く、たくましい。精神もタフなのだろう。まねることの出来ない、仕組みが違うイキモノを見てるみたいだ。★それにしても、テレビの番組のことだが、ここ、ベトナムでも50ぐらいチャンネルがあり、スポーツならスポーツだけのチャンネルが4つぐらいあるのが普通である。日本では、「普通」の契約では、テニスのグランドスラムを見ることが出来ない。見たかったら、別個にに契約し、さらに料金を払わなければならない。日本では、他の国では安く、気軽に見られる世界中の番組を見るのに、高いお金がかかる。へんだ。なぜだ。



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日記帳(3) v1.02.00 エース (素材協力:牛飼いとアイコンの部屋)