2008/12/27(SAT) 　　ハノイ チラとおれを見た てんぷら油がはねて「おっ」と言ったとき チラと見て　すぐ 編みかけのベストに目をおとした みっつぐらい昔 こうやって生きていた 結晶一粒 どこかへ チラとおれを見た 廊下側のドアをすこし開けたから チラと見て　すぐ 朝顔の刺繍に目をおとした 2008年師走 こうやって生きている 結晶一粒 記憶にのこして

2008/12/26(FRI) 24のイブはハノイタワーテニスのメンバー、Ｓさんの部屋でのクリスマスパーティーに二人で参加した。はじめは日本人だけで日本語でわいわいやってたのだが、シンガポーリアンのカップルが来たとたん、英語に切り替わったのだった。久しぶりにマンダリンも少し話した。ハッピークリスマス。 10時半ごろ外に出たら、外はすごい混雑。道はバイクで埋め尽くされ、歩道も歩けないほど。今夜はクリスマス、それに加えて、イヤこれがメインなのだが、サッカーの東南アジア大会で、10年来負け続けているタイに勝った！！その、祝賀パレードなのだ。ベトナムの、赤字に黄色の★一つの国旗を振りかざし、なにやら掛け声をかけながら行進するさまは、遠い時代の日本のゼンガクレンを思い出させた。 ********************************************* 　　スイートスポット 土曜日の朝 公園の中でバドミントンをする 公園には大きな池があって その周りに遊歩道があり ところどころにセメントのベンチがあり 恋人たちがネッキングしている ハノイの秋は紅葉のない秋 セメントの遊歩道に白くひかれたコートの中で 僕たちはシャトルを空に打ち上げ また打ち上げ たいてい3度目に落とした 打ち返そうとラケットを振っても ゆるく風が流れ 空振りしたりフレームに当たったり スイートスポットをはずしてしまう 思うようにならない 「めんつゆ」が手に入らない 買ったばかりのバイクが時おりエンストする きのう一日インターネットがつながらなかった おいしそうに見えたくだもののすっぱいこと！ 思い通りに打てることもあって そのときは低く喝采をあげるが やたらと鳴らすクラクションに消されて おれの声は誰にも届かない たいていは思い通りにならないほうに傾き わずかに傾きながらホンダの赤いバイクで 曇りがちの　大樹に守られた ハノイの秋を通過する

2008/12/23(TUE) 何もなくても、書く。書くことがなくても書く。日記だから？いや、書くことを習慣づけたいから。習慣づけてどうする。作家にでもなるつもりか。いや、記録しておきたいんだ。何を？見聞きしたもの、触ったもの、胸のあたりがブルッとした、そんなもの。なんのために？なんでかなあ。 ベトナム語のレッスンを受けている。うちまで来てもらって、2時間。今日で3回目。買い物にどうしても必要な数字がどうしても覚え切れない。たとえば、携帯の数字なんかをスラスラ言えない。もたもたしてしまう。イヤになる。決まって同じ数字でつっかえるとか。繰り返し練習するしかないのだが。それはわかっているのだが。出来ない学生の気分です。

2008/12/22(MON) きのう、21日はカミサンのテニスデビュー。ハノイタワー4階で。さすが、軟式で鍛えただけあって、打てる。たいしたもんだ。 ハノイで初めてガットが切れた。バチーンと音がして、３本切れた。ガット貼り代はガット代も含めて１２００００ドンで８００円ぐらい。 テニス後は、水餃子を食べに。「東北餃子王」という店。ベトナム風とかにアレンジされてなく、中国の地方都市の味（どんな味？）で、うれしうまい。

2008/12/19(FRI) 　　くったく いつものように 「おはようございます」といった 「おはようございます」とかえってきた それから 「いってきます」といった かえってこなかった 外は今にも雨が降りそう 雨はおれをさけて降るだろうか いつものように 濡らしてくれるだろうか

2008/12/18(THU) チラとおれを見た おれが廊下側のドアをすこし開けたからだ チラと見て　すぐ 手もとの刺繍に目をおとした こうやって生きている 結晶一粒 記憶されて *************************************** 数日前に浮かんだイメージを 探り ことばにしてみた 最後の1行が 安易に感じられ 「記憶されて」と直した すこしイメージの実体に 近づいた気がする 何を描こうとしているのだろう おれが感じる 「生きていることの実感」？ そうかもしれない 不安定、不確実なことばで こんな抽象的なことを 「神は細部に宿る」 これを信じるに足る思弁はないが おれを動かしている細胞たちが ささやかな実感に充足するふうだ

2008/12/14(SUN) チラとおれを見た おれが廊下側のドアをすこし開けたからだ チラと見て　すぐ 手もとの刺繍に目をおとした こうやって生きている 結晶一粒 どこかに

2008/12/12(FRI) 来るべき冬にそなえ バスタブを取り付けてもらい 電気ストーブを大家さんに借り ジャージの上下を求める バイク用に皮手袋も早々と いくらハノイはトーキョーから空を南へ５時間といっても 風よけのマフラー、編んでくれないか 長袖Ｔシャツ、２枚は要るな 去年はホント寒かった 窓に目張りしてコート着て仕事したよ 湯たんぽ、湯たんぽ、やーい 12月に入り 好天続き 雨なし 風なし 憂いあり 知人なし 母語なし 思い出なし 緯度21度 軽度105度 アジアの 片隅にて

2008/12/11(THU) 先日の日記に、「ハンザ市場」「12月19日市場」がなくなるかもしれないって書いたけど、今日ベトナム日本語新聞を見ていたら、なくなるのではなく、近代的ビルに立て直すのだそうです。よかった、のかな。市場の汚らしいけど、風情といえば言えるナニカはなくなるんだろうな、やっぱり。でも、できるのに２年ぐらいかかり、遅れること、必至だから、新しい市場で野菜や果物を買うことはできないみたい。

2008/12/8(MON) この週末はテニス三昧だった。土曜日、ベトナム人のグループに参加。VJCCの向こうまで行くとテニスコートが5，6面あり、そこで9時前から3時間、終わって、午後2時からハノイテニスクラブで3時間。今日、8時半からハノイテニスクラブで3時間。さすがに足の筋肉がつる。硬くなったマメもつぶれかかっている。けれど、満足、充実感。 きのうの昼は、テニスコートの移動の途中にあるデウーホテル（韓国系5星）の優雅なラウンジでEnglish breakfast teaを飲み、その後、牛肉のフォーを道沿いの屋台で食す。teaが80000ドンで、フォーが15000ドン。食事がドリンクの7分の1とは、笑える。 今日、テニス後にＨさんと家内と一緒に旧市街散策。まったくあそこは何回行っても面白い。ブリキ街、仏壇街、楽器屋やギャラリーが点在し、手芸用品街、おもちゃ街・・・。で、ハンザ市場に里芋を買いに行ったら、日曜日なのに閉まっている。周りの酒屋などもない。不吉。うちの近くの12月19日市場も再開発で取り壊された。ハンザ、お前もか！この街から市場がなくなるなんて、考えるだにさびしい。 で、時間もあるし、いい気候なので、ハンベー市場までテクテク。ここは青空市場。おばちゃんたちとのやり取りで、修行の場。芹、片手で持てないほどの一束、10000ドン（60円）、豚肉1キロ、80000ドン。細長スイカ、32000ドン。香ばしいがしょっぱいピーナッツ、5000ドン。あとは、サトイモ1キロ、マンゴー1キロ買ったのだが、値段、忘れた。

2008/12/4(THU) 9月3日に船便で送った2個口の1個が、ちょうど3ヶ月たった今、まだ届かない。 空港近くの海外から送られた荷物が集まる郵便局には、届いていると通知があった。そこから大学近くの郵便局に送られる手はずになっているのだが、聞いてもらっても、伝票の控えを持っていって突きつけても、埒が明かない。3ヶ月。どこの暗闇で忘れられ、おっぽり出されているのだろう。何度電話してもらっても、「待て」の一点張り。4ヶ月も6ヶ月もかかることはざらだって。まったく！いい加減な国のいい加減さ。怒るだけ損だと思えども...

2008/12/3(WED) ああああ〜ああああ。また消しちゃった。 今日の日記を書いていて、ネットで読んだ詩の作者の名前が浮かばなくて、樋口えみこさんの「ペンテカ」の中だったとおもいだして、googleで検索しても出なくて、さまよっているうちに「川口晴美」という名前を突然思い出して、戻ろうとしたら、さっき書いていたこのページが消えていて、「履歴」をチェックしても当たらなくて、いやんなって、「citi mart」で買ってきたというバケットをミルクをたんまり入れたベトナムコーヒーにつけて食べながら、これを書いていたら、なんだか、ふと振り返ったら、歩いてきた道が消えているのを発見したような、きのうまでが否定されたような徒労感。それにしても、夜中コンビニをさすらい歩くあの詩は、よかった。見えない額縁に入れて、いつも見えるところに飾っておきたい。（これって、詩にならない？）

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