2014/11 [HOME]

++ 日記 ++

2014/11/29(SAT)
外は雨
ひっきりなしに、チェ、チェと舌打ちしながら
11月の終わりのおれの胸元にしみ込んでくる

おれはまるで100年前の西洋人のように
喉仏を膨らませてコーヒーを飲み込むのだ

きょうは何日
きょうは毎日だよ
そう応答する人もなく
ガラス戸の露を集めて書く人の名もなく
ただ 雨の向こうの遠い遠い砂漠の
熱い砂を走る虹色のトカゲの見ているものを
見ているのだ

2014/11/16(SUN)
004
急にマラルメなんて読まなくちゃと思って
図書館に行って借りてきたのはいいが


茶色にあせた紙
印刷された文字は古い日本語で読めやしない


なんという体たらく
まるで象形文字


一目見て投げ出してしまったよ
一事が万事、この調子


止まない雨はないというが
明けない夜はないというが


晴れるのはきっと、おれが眠ってから
ネズミがおれの記憶をかじっているころ


そんな現実と非現実を行ったり来たりしながら
性懲りもなく書き続けるのだ

2014/11/5(WED)
003
たかがひとつのことばなのに
どうしてこんなにうれしいのだろう
あの人の口からこぼれたことばだから
あの人の心そのものだから
5月の陽の光のように
おれの心をあたためる


たかがひとつのことばなのに
どうしてこんなにさびしいのだろう
あいつから思わずもれたことばだから
あいつの心の底がみえたから
11月のこがらしのように
おれの心をしめつける


ことばよ おしえてくれ
君はどうやってあの思いをみつけたの
うれしさも さびしさも
しりたいことも しりたくないことも
ことばにならなければ
しられることはなかったのに


2014/11/2(SUN)
002
壁打ちに行こうと、シャツを着替え
テニスザックを背負い、外を見たら雨が降りだしていた

そうして1時間たって、ひどい降りになった
まだ4時過ぎだって言うのに外はうす暗くなって

こんな、中途半端な、心残りな、ストンと落ち着かないまま
すぎてしまうのか
きょうも
おれの一生も

2014/11/1(SAT)
先月、29日に「ヒロ」で金森公介のライブを聞いた。
いろいろ考えさせられた。うまいか下手かは別として、彼にはスタイルがある。ゆるぎないスタイルがあるから、安定していて、安心感がある。だから、聞ける。聞いていられる。メロディーだの、歌詞がどうだのは忘れた。ただ、迫ってくるものが確実にあった。
自分のスタイルを持つってことを、考えている。
「自分のスタイル・・・?」


001
始まる
いや、始める
外国人には難しい自動詞と他動詞が
日本語にある理由とは

くらげは自動詞的か他動詞的か
くらげにもきっと、わからない



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