2013/11 [HOME]

++ 日記 ++

2013/11/24(SUN)
月にいっぺん
夜になると
おれの無数のアンテナが屹立し
君を押し倒して埋めたくなる


森の中で祝祭がおこなわれようとしている
君をなで、つかみ、腕を絡め、口を合わせ
むねをひしぎ、なおも暗い森の奥へ


うつつとまぼろしを行ったりきたりしながら
たっぷり君を湿らせ
稲妻のように引き裂こう


君はおれを生の瀬戸際に追いつめ
その彼方を垣間見せる
月にいっぺん聞こえる
狼の夜
********************
 63歳のソネット

寒い朝だ
と言うと「寒い」が伝わるかい
ことばは理解しても
この寒さは伝わらない


それがあなたが僕でない証拠
あなたの前にいて
僕があなたになれない理由


ほっぺたに触れてくれ
あるいはひっぱたいて
そのとき僕は知るだろう
あなたとの新鮮な距離


こんなに近くにいて
こんなに離れてる
だからこんなに愛しいのだ
******************
大事なことは鉛筆で書く
大事なことなら
消えないよう
ボールペンで書けばいいのに
消せないひとつに決まってしまうのが
こわいのだろうか
まだ不定形でいたいなんて
いくつになるんだ
自分で責任をとりたくない?
そうかもしれない
まだ結果をだしたくない
可能性を残しておきたい?
フーン?
腹をくくるのイヤで
自由でいたいって?
おお、自由!
自由は重いぞ、さびしいぞ

2013/11/23(SAT)
きのう、22日は相蘇清太郎氏の第一詩集「ルネサンスにいたる神々」の出版記念パーティーだった。
いい会だったな。適度に楽しんだ。おれも挨拶したが、緊張して時に噛んだ。武田さんや大江、後藤勝などと久しぶりに会って、歓談した。
「シテ創刊2号」も」完成。まずは順調である。

2013/11/13(WED)
きのう、ジャズ(酒田出身のサックス奏者、後藤輝夫と仲間たち)のライブを聞きながら、メモしたことばたち。詩のパーツになりうるか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ひとの書いたものを読み
ひとの歌った歌を聴き
ひとの描いた絵を見て


ためいきついたり
うらやましがったり
ばかにしたり
もちあげたり


歌は歌えない
絵は描けない
それでもひとの書いた詩なんか読みたくない
ひとが作ったあらゆるものをもとめてめでてなでさする
そんな生活になじませたくない
そんなひとにおれをならせたくない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
抽象ってなんだ
何のために抽象はあるのか
ことばは具体的に過ぎる
絵もまた
今、ジャズを聞いて思う
あのドラム
あのギター
あのピアノにサックスが絡んで・・・
抽象そのもの それが
ドンと入ってくる
意味を押しつないで
意味をひろわせる
あの音あの旋律
受け手に解読をまかせて
ただ、ある
************************************
何もできないなんて認めたくないけど
実際まともなことは
なにひとつできない
ひとの評価はたまにいいときもあるけど
繁盛してるラーメン店のようには続かない
(以下、不明)


 

2013/11/8(FRI)
おれは信じてるんだ
いつか君がきっと君の夢を果たすだろってことを
もう想像力のかけらも残っていないと見えても
その実まだ底深くチラチラもえる火を暖めているって

おれは信じてるんだ
いつか君がきっと君の宝物を見つけるだろってことを
もう爆発するエネルギーはなくなりつつあっても
ものを見分ける目ははますます鋭くなっているって

詩や絵や音楽をやって賞をもらうのかい
いやいや、そんなもんじゃない
素敵な女性と甘くしびれる時間を過ごすのかい
いや、それもいいけど永遠には続かない
ハバマの海で怪物と格闘するために鍛えるのかい
そうね、けれど健康なのはいいことだけど



わからないよ、明日のことなんか
わからないよ、明日の君なんか
正直言うとそうなんだけど
おれはおれの夢を見たいんだ
君が夢を果たすときはおれも夢を果たすときさ
バイバイ





前月へ 次月へ


日記帳(3) v1.02.00 エース (素材協力:牛飼いとアイコンの部屋)