2013/11/24(SUN)
月にいっぺん 夜になると おれの無数のアンテナが屹立し 君を押し倒して埋めたくなる
森の中で祝祭がおこなわれようとしている 君をなで、つかみ、腕を絡め、口を合わせ むねをひしぎ、なおも暗い森の奥へ
うつつとまぼろしを行ったりきたりしながら たっぷり君を湿らせ 稲妻のように引き裂こう
君はおれを生の瀬戸際に追いつめ その彼方を垣間見せる 月にいっぺん聞こえる 狼の夜 ******************** 63歳のソネット
寒い朝だ と言うと「寒い」が伝わるかい ことばは理解しても この寒さは伝わらない
それがあなたが僕でない証拠 あなたの前にいて 僕があなたになれない理由
ほっぺたに触れてくれ あるいはひっぱたいて そのとき僕は知るだろう あなたとの新鮮な距離
こんなに近くにいて こんなに離れてる だからこんなに愛しいのだ ****************** 大事なことは鉛筆で書く 大事なことなら 消えないよう ボールペンで書けばいいのに 消せないひとつに決まってしまうのが こわいのだろうか まだ不定形でいたいなんて いくつになるんだ 自分で責任をとりたくない? そうかもしれない まだ結果をだしたくない 可能性を残しておきたい? フーン? 腹をくくるのイヤで 自由でいたいって? おお、自由! 自由は重いぞ、さびしいぞ
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