2010/11/11(THU)
詩に関する本、三冊。
・「今日は死ぬのにもってこいの日」ナンシー・ウッド、め るくまーる <アメリカン先住民の唄>
★今知っていることすべてを もっと以前に知っていたならば 人生を年寄りとして始めたことだろう、 若さを置き去りにすることのほか 人生に恐れることなど何もない そう言ってくれた老人たちにだまされた年寄りとして そんな人生を送って いったい何が面白かっただろうか? わたしのあやまちが わたしにどんな家庭をもたらしたというのだろう このままでいるほうがいい。 今やわたしは、若さよ帰ってこい、と願うこともできるし 若さにこう言ってやることもできるのだから 老年とは、雨が降らなくても 緑の丘がいかに豊かに見えたかを覚えていること それ以外の何物でもないのだと。
「滝への新しい小径」レイモンド・カーヴァー、中央公論新社 <村上春樹 翻訳ライブラリー>
★ 日曜日の夜
あなたのまわりにあるものを利用するといい。 たとえば窓の外に降る このおだやかな雨。 わたしの指の間の煙草 カウチの上にのせられた両足。 かすかに聞こえるロックンロール わたしの頭のなかにある赤いフェラーリ。 女は飲んだくれて台所を ドスンドスンと歩き回っている・・・ それらをみんな集めて 利用すればいいのだな。
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