2007/11 [HOME]

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2007/11/22(THU)
  すてどころ





むずかしい

トランクス型パンツの

上部の板ゴムが

どれくらいの

伸び率を示しているか

伸びきったらやばいだろう

その手前の

ゆるくなくきつくなく

を越えたあたりから

目を凝らし始め

無情を取り入れるのだが

親しんだものをポイと

ゴミ箱に投げるのは

いかにも忍びない

その最後の肩を押すのは

洗濯機付近から届く

「これまだ履く気?

 もういいんじゃない?」

2007/11/17(SAT)
どうしたわけかわからないが、詩がうかぶようになってきた。うれしい。ひとつでもできると、一日がはりのあるものになる。



おれの指はきっと
なでたり つまんだり はじいたり
ときには つきさしたり
日によってちがっているのだろうね


まるで きみにむかう
ことばみたいに



ブーンという声もなく
プツッというあいさつもなく
小さな赤い腫れとかゆみを残し
おれの軌道をほんの少し外した
あるいは 正した


亡き人のひとことのように



森を歩いていて 知らぬ間に
ヒルにくわれた
まるまると肥えたヒル


枯葉の下で幾星霜
待ちつかれた果ての
夢の実現



ペシャンコの歯磨きチューブ
用意されたピカピカのチューブと並んでまま
すでに3週間
互いを意識しあったまま
どちらもどうすることもできない



シャープペンが書けなくなった
芯をさがして一本入れるか
捨ててしまうか
どっちでもいいことだけど
シャープペンにとっては一大事



エアコンがうなっている
流砂のように
うなっている おれも
ドライにしようか
クールがいいのか
この場合わからないので



ともかく
日付を入れておきたい
自動速記のように書いたものが
せめて逃げないだろう



彼はなにものであるか
そんなときでも
スーパーのかぼちゃのように
日付があれば
一縷の望みがある



エアコンが
数分動いて 止まった
サーモスタットの働きによって


お心遣い 感謝申し上げる



日づけを与える


首すじに
羽虫が止まったようなできごとに


勲章を与えたいのだ
ブリキの



でかけよう
どこへって
近くの公園でもショッピングモールでも
どこへでも


くたびれて穴のあいたブルージーンズ
おととい洗って
やっと乾いた
洗いざらしの
あれをはきたいんだ



きみは
冷凍庫の中の肉まん半個を
「ある」という
おれの見方ではそれを
「ない」という












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日記帳(3) v1.02.00 エース (素材協力:牛飼いとアイコンの部屋)