2007/11/17(SAT)
どうしたわけかわからないが、詩がうかぶようになってきた。うれしい。ひとつでもできると、一日がはりのあるものになる。
★ おれの指はきっと なでたり つまんだり はじいたり ときには つきさしたり 日によってちがっているのだろうね
まるで きみにむかう ことばみたいに
★ ブーンという声もなく プツッというあいさつもなく 小さな赤い腫れとかゆみを残し おれの軌道をほんの少し外した あるいは 正した
亡き人のひとことのように
★ 森を歩いていて 知らぬ間に ヒルにくわれた まるまると肥えたヒル
枯葉の下で幾星霜 待ちつかれた果ての 夢の実現
★ ペシャンコの歯磨きチューブ 用意されたピカピカのチューブと並んでまま すでに3週間 互いを意識しあったまま どちらもどうすることもできない
★ シャープペンが書けなくなった 芯をさがして一本入れるか 捨ててしまうか どっちでもいいことだけど シャープペンにとっては一大事
★ エアコンがうなっている 流砂のように うなっている おれも ドライにしようか クールがいいのか この場合わからないので
★ ともかく 日付を入れておきたい 自動速記のように書いたものが せめて逃げないだろう
★ 彼はなにものであるか そんなときでも スーパーのかぼちゃのように 日付があれば 一縷の望みがある
★ エアコンが 数分動いて 止まった サーモスタットの働きによって
お心遣い 感謝申し上げる
★ 日づけを与える
首すじに 羽虫が止まったようなできごとに
勲章を与えたいのだ ブリキの
★ でかけよう どこへって 近くの公園でもショッピングモールでも どこへでも
くたびれて穴のあいたブルージーンズ おととい洗って やっと乾いた 洗いざらしの あれをはきたいんだ
★ きみは 冷凍庫の中の肉まん半個を 「ある」という おれの見方ではそれを 「ない」という
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