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骸骨人厭々日録


2004年12月

2004/12/11(sat)
奇妙な空のなか 足立和夫


文机にころがるボールペン
紅茶カップ
お箸と皿
パソコン
こんな小物からはじまり
世界の果てまで
欠片でつながっている
苛酷な空すら
途中である
不気味なつながり
つながりの後先には
終わりがないことを
われわれは知っている
思わず
奇妙な孤独に
嘔吐する
つながりのすべてに
意味がないことに
われわれの存在にも
すべては
ただ放置されているだけ
ここも
あそこも
ただ在るだけ
ただそれだけ
なにもないところで
ぼくは
草のように
世界を喰っている





初出『ぺらぺら』9号(2003年10月20日発行)



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