May 09, 2005

ガンセンターとジョウカイボン

今日はガンセンターに、入院の付き添いに行った。
理由はわたしが無職というか、暇だから。
彼は先日家の鉢に芽の出た生姜を植えていった人だ。
近所なので因縁はいろいろあるが、母が乳癌で入院をした時に、お姉さんが乳癌手術をしていたので、いろいろ話を聞けてたすかった。
母の病状が落ち着いた頃、彼はひとこと言った。「姉さん以外、みんな死んじゃったけどな。」
「・・・・・」まあ、昔の手術だからだ。
父の時は連絡係り兼、交代要員になってくれた。両家は、まるで癌が取り持つ仲である。


今回、彼の癌は会社の検診で見つかった。腫瘍マーカーは素晴らしい。非常に初期のものさえ発見できるのだ。
それでも切らなくてはならないらしく、入院の順番を待っていた。そしてキャンセルがあって、そこへ飛び込めたのだ。
仕事で入院の付き添いなんて、山ほどやっていたが今日は少し様子が違った。外来の待合室のとなりが実は今日、入院の人の待合室だった。20人くらいたまっている。
暫くすると、看護士が来て名前を呼ぶ。
十人くらいのグループに分けると、彼女は「じゃ、初めての人!」と手をあげるそぶりをした。
そして手をあげたのがふたり。


どう言ったらいいのだろう。癌はそれほど当たり前だというのと、だからってツアーのように手を上げさせるというのはないだろうというのと複雑な気持ちになった。
二度、三度の入院でよくなる人もいるのだということに、思いをはせられなかったという不覚さもあったが。
病棟に行くと、病室の側の食堂のようなところで、学校の先生が授業をしていた。そこは明るい部屋だった。子供は多く、彼らはみな坊主頭だった。
手術の時間はあさっての9時に決まった。
それだけはっきりしたら、わたしは昨夜の喘息の疲れで30分も入院患者のベッドに寝てしまった。
結局、荷物を持っただけだった。


ガンセンター周辺は、都内で言うと清瀬みたいな感じで、大きな病院がいくつもある。
帰途、少し歩こうと15分くらいで生前、中原中也が入院していた病院に立ち寄った。
勿論、面影などないだろうど。
ごそごそサルトリイバラみたいな芽を撮っていたら、ジョウカイボンみたいなのがいた。よく見るとぜんぜん違って、春のカミキリムシだった。
そういえばジョウカイボンは、賢治にも出てきたっけ。
ベニカミキリ。春のカミキリは、可愛い。吉兆だと思って、帰ってきた。 ベニカミキリ
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