Jul 29, 2005

咳が抜けない。
コウホネのポンプが壊れて、買い替えにいかなくてはならない。
なんだかだるい。
セナに「鶏のささみそぼろ」を作っていて、冷やして餌に振りかけたらしっかり食べた。
こういうのって、ほんとほっとする。


ひと段落着いて、セナの理髪をすることにした。
あまり苦しそうにぜーぜーやっているからだ。
武器は台所用ピンキング鋏とヘアブラシ。それだけ。
動物のカットは初めてだ。
人間はふたり犠牲になった。
お金がないから、ぺこにやってもらったという人は「ドイツ軍のヘルメットみたいになった」といった。
もう一件は、理髪店が休みなのに、葬式ができて朝から仏事ができた、くだんのお坊さん。
丸刈りは簡単かもしれないが、坊主は難しい。頭のしわが寄りやすいところは、毛が密になるのだ。
希望としてはなるべく、短くしないように、であったので。「ドイツ軍のヘルメットができたのだから、坊主くらい・・・」
そういう心意気であった。
奥さんも、夜遅いし「しかたないねー」みたいな感じだった。


結果は散々だった。
彼は泣いてしまった。
「ぺこが俺の頭をがびがびにした」と言って。
「がびがび」と言うのは、本当にぴったりな表現だった。罪悪感はなかったが、大変なことをしたのだなとは思った。
葬式に行けぬというのだから。
翌朝、部屋を覗くともう、居なかった。「早いなー」と思っていたら、帰ってきた。
頭が青々としていた。
わずかばかり伸びた毛は、もう頭にはなかった。
朝、床屋をたたき起こしたのだそうだ。
わたしはついに、謝罪しなかった。
わたしに頼んだほうが悪いのだ。


ながーい前置き。
セナはいつものところで、眠っている。
人間なら「呆けじいさん」なり。
そっと近寄り、こっそり切り出す。
腹のあたりを切ったとき、「ぅ!」みたいな感じになりがばっと起きた。
わたしは、鋏をかくしたりして。


セナはわたしの仕業と知ると観念したように、切らせてくれた。
注意したのに、背中は九龍のうろことなった。 耳がバルタン星人のセナ
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