Oct 17, 2006

横浜詩人会賞。

先週の土曜日は、横浜詩人会賞の授賞式に出席してきました。
今年の受賞詩集は大谷良太さんの「薄明行」(詩学社刊)
実は私もこの賞には応募していたのですが、
最終候補の6冊にまではなんとか残ったものの、あえなく落選…。

大谷さんとは、以前に合評会にいらっしゃった時にお会いしました。
なにせ人に愛される性格の方なので、二次会では初対面にも関わらず一気に馴染み、
その後もお会い出来はしないものの、詩集や手紙、メールのやり取りなどあって、
いいお付き合いをさせていただいていました。
横浜詩人会賞に詩集を送るときも、「どうする?送る?」的なやり取りなんかもしていたので、
彼が受賞したという連絡を貰ったときには、悔しいより「ああ、よかった」という気持ちでした。
ま、その連絡ってのは、本人から貰ったんですけど。

ということで、本人から案内状を貰い、受賞式会場へ。
詩集の受賞式というものに初めてお邪魔しましたが、なんだかちょっと結婚披露宴のような様子でした。
私は受賞者の関係者ということで、図々しくも本人の真横に着席。
大谷さんはスーツで格好よく決めていました。
しかしスピーチなどあるので、かなり緊張した様子、手も震えていました。
ご両親もいらっしゃっていて、ご家族とのやり取りを見ていると、
実にいい家庭にお育ちになられたようで、とても暖かい雰囲気を感じました。

授賞式は関係者の挨拶、選考経過報告などを経て、賞状と賞金の授与。
やっぱり大谷さん、かなり緊張されていましたが無事こなし、
次に大学時代からの友人である今村純子さんによる受賞者紹介。
ここでは、大学入学当時の大谷さんの様子が語られ、そのかなりぶっとんだ様子に、
会場も随分と和みました。
そして大谷さんの受賞者挨拶。
やっぱり声が震えていて、言葉が途切れ途切れであったものの、
大谷さんの優しい人柄を感じさせるとても気持ちのいいスピーチ。
このスピーチを聞いて会場の誰もが、この人にとってもらってよかった、と思ったのではないでしょうか。
そしてとりあえず儀式的なことは無事終わり、乾杯。

ところで、この授賞式には、
思潮社から「すみだがわ」という詩集を出されている廿楽順治さんも出席されていました。
「すみだがわ」は、最後まで「薄明行」と受賞を争った、非常に優れた詩集です。
廿楽さんは前々回の現代詩手帖賞を受賞されており、同じ時期に投稿していた者としては、
とてもお会いしたかった方のひとりでした。
お話してみると、なんとこのブログを読んでいただけていたとのこと。
いやー、嬉しいやら、恥ずかしいやら。
それならばもうちょっとちゃんと書いておけばよかった、なんて。

受賞式のあとはそのまま食事をしながらの懇親会へ移行。
私の方は、あとはお酒でも飲んでお腹一杯ご飯を食べようか、なんて気楽に思っていたのですが、
とつぜんスピーチを頼まれ、え、まじで?という感じ。
もうビールを飲んでいたので、そのままさささっと適当に喋って済ませてしまいましたが、
他の皆さんはかなりちゃんとお喋りになっていて、いや、私は喋るのは苦手で…困ります。
大谷さんは大役を果たしたと言うことで、気持ちが楽になったのか、ビールをがんがん飲んでいました。
それでもスピーチをされた方には、どの方にも丁寧に頭を下げ、ここらへんも人柄が表れていました。

その後、受賞式会場を後にし、二次会の会場へ。
私もまた、図々しくついていき、ここでは私は横浜詩人会の方々とお喋りさせていただきました。
失礼ながら、年配の方が殆どでいらっしゃいましたが、どの方もお優しく、気持ちのいい方ばかりで、
面白い話や、拙詩集を読んで頂けた方からのアドバイスなど聞けました。
しかし詩人会、というと、なんだかいろいろ政治的なことが渦巻いていたり、
暗黙の内に上下関係がきっちり出来ていたりして、というイメージを持っていたのですが、
横浜詩人会の場合はそういう殺伐とした印象はなく、なんだか実にアットホームな雰囲気でした。
その後また店を変えて三次会へ、11時ぐらいまで会は続きましたが、
がんがん飲み続けていた大谷さんはついに撃沈。
立てなくなって詩人会の皆さんに肩を借りながら店をあとにし、タクシーにのせられて帰宅。
なんとも大谷さんらしい受賞式でした。
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