Jul 15, 2006

長らく休眠していた

詩の批評サイト「いん・あうと」が、この7月から再スタートを切っています。
http://po-m.com/inout/
2005年の3月に終了した旧いん・あうとを第一期とし、
この度再開した新いん・あうとを第二期としての最初の更新です。
前期と同様、多彩で有能な執筆陣を揃え、充実した読み応えのあるサイトになっています。
現代詩に興味ある人もそうでない人も、とにかく是非ご一読のほどを。

特集は二つ。
一つ目は、今年中国詩のイベントがあるということで、
詩学社から刊行されている「中国新世代詩人アンソロジー」についての特集。
これは現代中国の詩のシーンに触れることの出来る貴重な機会です。
まずアンソロジーとして用意された10篇の中国詩人による作品は必読。
それに対談では「いん・あうと」の総ボスでもある詩人の和合亮一さんと、
日中両方の詩のシーンに詳しい田原さんの興味深いお話がたっぷりと。
そして論考では、詩人と詩に造詣の深い書き手たちが、
自身の目で見詰めた中国詩について論じています。
あの日本の十倍もの人口がいる中国で、また様々な政治的混乱を経験してきた詩人たちにおいて、
いま詩はどのように書かれているのか。一見の価値ありです。
ちなみに私も論考をひとつ寄せさせていただいてますが、
まあなにぶん他の執筆者が錚々たる顔ぶれですから、著しく見劣りがするのは仕方ありますまい。
他のを読んだあと、それでも時間が余ってしょうがないときだけどうぞ。

特集2は、詩の現在2006年と題して、最近出版された詩集について、
野村喜和夫さん、ヤリタミサコさんを始めとした執筆者が論考を寄せています。
既に時代の先端を走っている小笠原鳥類さん、キキダダマママキキさん、久谷雉さんなどの詩人から、
現代詩手帖賞を取ったばかりの先鋭最果タヒさんまで、
様々な「新しい」詩人たちが取り上げられ論じられています。
現在、詩誌においてもネット上においても、なかなか新人たち個人について語られる場所がなく、
いい詩集が出版されていても知られぬままになってしまうという状況があります。
このように見通しのいい場所で新人たちについての優れた批評が読めるということは、
非常に意味深いことだと思います。
今後、更新の度に新詩集の批評が行われると思いますので、是非注目してください。
あ、それと今回、拙詩集も取り上げて下さっています、一応…。

他にもエッセイや「いん・あうと批評」など、
二十代前半の若い書き手から大御所までが入り乱れて書き競う文章は読み応えがあり、
恐らくいっぺんに読むのが難しいぐらいでは。

実は当初の予定より随分遅れて始まった第二期いん・あうと。
しかし遅れただけあって、内容は非常に充実したものになりました。
それでもまだ、ハードな読み手からすると物足りないところも多いでしょう。
これから第二弾、第三弾と更新を重ねるごとに、充実を増していくことは間違いありません。

そうそう、いままで文字化けで読めなくなっていた「いん・あうと」第一期のテキストが、
ページ最下部のバックナンバーから全て読むことが出来るようになっています。
これを機会読み直してみるのも良いでしょう。
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