Jun 05, 2006
寒いんだか暑いんだか、
良くわかりませんが、みなさま風邪などひかれませぬよう…。
ちょっと前の話ですが、先日のPSPの時、
桐田さんとブルースの話で盛り上がりました。
桐田さんが以前ブログにアップされた写真の一部に、
とあるブルースのレコードジャケットが写っていて、
それに対してコメントしたところ、
「あんな古いレコードを知っている人がいるとは!」
と驚いていらっしゃいました。
私は後追いで聴いたのですが、
桐田さんはリアルタイムで聴かれていたんですね。
羨ましいです。
私は中学生ぐらいの頃からローリング・ストーンズに懲り、
そのルーツを探るうちにブルースに辿りつきました。
80年代のスタイリッシュな音楽を、同時代の音楽として親しんでいた私は、
まだ電化されたばかりだった50年代の黒人音楽の、
力任せとも言えるパワーに衝撃を受けました。
スピーカーから飛び出した途端、
あたりの空間を全て埋め尽くしてしまうような、でっかくて野太い声。
そしてあのぶっとい指でなければ叩き出せないギターの、
胸倉を掴んでくるような暴力的な音。
絶対に白人や日本人には出せない、
黒人でなければ不可能な音にやられてしまいました。
マディ・ウォーターズ、アルバート・キング、フロイド・ジョーンズ、
Tボーン・ウォーカー、オーティス・ラッシュ、マジック・サム、
ジョニー・ギター・ワトソン、ブラインド・ウィリー・ジョンソン、
レッドベリー、ロバート・ジョンソン…他にもたくさん。
ロバート・ジョンソンといえば、
1930年代に活躍した伝説のブルースマンですが、
この人の、ストーンズもカヴァーしている「ラブ・イン・ヴェイン」
という曲がの歌詞のなかに、
Blue light was my baby,
And red light was my mind.
という一節が出てきます。
男が恋人との別れを思い出している歌なのですが、
駅で恋人の乗った列車が去っていき、それをホームで呆然の見送っていると、
列車の後ろに赤と青のライトが点灯していたことを思い出し、
青いライトは俺のベイビーで、赤いライトは俺の心だったんだ、と歌うのですね。
ここのところに中学生か高校生ぐらいの私は、
生意気にも何故だか矢鱈とはまってしまいました。
その後、もし自分が恋愛小説集など出すことがあったら、
絶対この歌詞をタイトルにしよう、なんて妄想していましたが、
それはどうやら果たされそうもありません。
ブルースの歌詞はワンコーラスがとても短くて、書いてしまうと二行ほど、
これを繰り返して一曲を成立させます。
少ない言葉に限られているからこそ、
そこに多くの感情が表現されている歌詞が多く、
非常に情緒豊かで魅力的です。
なんだか短歌とか俳句に似ている気がしますね。
ブルースは殆どが失恋の歌、あとは仕事の辛さを歌ったり、
自分のふがいなさを嘆いたり、それから所謂スピリチュアルもあります。
生活そのものを歌にするんですね。
そこら辺も短歌や俳句を思わせます。
ただ、そこに漂う強烈な体臭は全く異質ですが。
しかし人間というのは、言葉や肌の色が違おうとも、
つまるところ、考えることは大体同じなのかもしれません。
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