May 23, 2006

恒例の合評会報告。

前回は私のこのブログにおける「上品とはいえませんが」発言が
一部でえらい物議をかもし出してしまいました。
関係者様、大変ご迷惑をお掛けしました。
それでは、言葉に気をつけていきます。

今回は同人誌「ルピュール3号」の原稿締め切りでもありました。
私は以前PSPに出した「成就」という作品を掲載予定。
7月2日に行われる東京ポエケットに間に合わせるため、
造本をお願いしている水仁舎の北見さんには、
制作を急いでもらうことになってしまいました。
北見さん、何卒よろしく。
と言うわけで、東京ポエケットにはPSPで参加の予定。
みなさま、お誘いあわせの上ご来場を。
私も行きます。

合評の方は、残念ながら欠席の方が多く、少数人数で行われましたが、
久しぶりに岩村美保子さんが参加されたのが嬉しいことでした。
作品は子供から大人に成長する過程で失ってしまったもの、
変わってしまったものの不可思議を感じさせる、温かみのある作品で、
日頃、殺伐とした作品とばかり格闘している私には新鮮でした。
岩村さんは今年の2月に「生きるなんて暇つぶしさ、ってきりぎりすは言った」
というエッセイ本を出されました。
私も頂いて読んでいるのですが、とても読みやすいうえ面白い!
御自身の詩と同様温かみのある文章で、それでいてなかなか鋭いことも書かれていて、
はっとさせられる部分が数多くあります。

宮越妙子さんの作品は、東北の日本海の風景を思わせる情緒的なもので、
三部作の最初の一篇であり、今から何かが起こるという予感に満ちたものでした。
その描写力、表現力は卓越しており、感想をいうよりも、
早く先を読ませてほしいという感じです。

高田さんの作品は、主体が若干わかりにくかったものの、
ほかはいつもながらの秀作です。
夢から夢へとさまよい歩くなかでふと垣間見るような眺めが、
絵本にページをめくるように現われて、なにも考えずに没頭させてくれます。

柿沼さんの作品も素晴らしかった。
狂気をクールにテクニカルに捉えた作品で、
平凡な言葉の中から屹立するようにはっとする言葉が現われ、
唸るしかありません。

今回もっとも物議を醸し出したのは竹内敏喜さんの作品。
ジャクリーヌ・デュプレからジャック・ラカン、そして聖書へ移行して、
一篇の詩に結晶するというもので、その言葉運びの匠さと、
一つ一つの事物の深さには圧倒されるものがありましたが、
いかんせん難しい!
多方面の知識に豊富な人でないと読解することすらままならず、
当然、私は途中で振り切られてしまいました。
しかしそのクオリティは揺るぎないものがあります。

そして今回は作品は提出されませんでしたが、
これまた久々に福士環さんが参加されました。
お家の方でいろいろとあり、私も非常に心配していたのですが、
以前通りの元気なお顔を見られて安心しました。

というわけで、合評会が終われば当然ながら二次会へ突入なわけですが、
残念ながら岩村さんと北見さんが帰られて、更に少ない人数での飲み会。
おまけにいつも飲んでる店が改装だか閉店だかで工事中で、
別の店を余儀なくされましたが、
途中から久谷雉さんが参加されて盛り上がりました。
久谷さんは一番お若いのに、詩の世界では非常に事情通で、
いろいろな話が聞けてとても面白いです。
ところで、前回私のブログに登場したご両人は、
今回も日本酒をくいくい呑りながら大いに語り合っておりました。
て、こんなこというと、また物議を醸し出してしまうかな?
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