Mar 21, 2006
昨日は恒例の合評会の日。
今回はなんと岡山県から、斎藤恵子さんが参加してくださいました。高見順賞の授賞式に出席するために先週末から上京され、
お帰りになる日曜日が丁度PSP合評会の日だったので、
参加していただくことが出来ました。
斎藤さんとは今回初めてお会いしたのですが、
とても活発で明るい方でいらっしゃいました。
高見順賞の授賞式を見るために、
わざわざ岡山から上京されるところからも、
その行動力の素晴らしさに恐れいるとともに、
本当に詩を愛しているのだなあと感じました。
今回、斎藤さんは作品も出してくださいました。
「零下の日」と題されたこの作品は、私の読んだところ、
雪の積もった日にバス停でバスを待つ女性の肩に手を伸ばしてくる、
幻想的で恐ろしい出来事と、その末路に垣間見える不確かな希望が描かれた作品でした。
斎藤さんは一昨年上梓された詩集「樹間」が中原中也賞の最終選考に残るなど、
大変高い評価を受けた方ですが、
その場所に安住することなく更に詩作の枠を深め広げようとされています。
今回出された「零下の日」も、
今までの斎藤さんの作品にはない魅力が更に加えられ、
しかも持ち味である独特な音感や不思議さ、水の感触などが更に磨かれ、
結晶していました。
更なる発展が非常に楽しみです。
今回の合評会では、季節がらか、春を題材にしたもの、
または作品のどこかに春を散らせたものが多く見られました。
そういうことをするのは、なんだかありきたりのように見えますが、
やはり日本の風土の中で生きて詩作している限り、
どうしても四季の節々の様子と物思いは密接であるようです。
平安時代の和歌の頃から現代に至るまで、また年齢の老若男女に関わらず、
このことは日本人の根底にあり、詩が現れる源になっていると思います。
ありきたりながらも、これが日本という地域で生きて詩作することの、
一番の利点ではないでしょうか。
そして柿沼徹さんからは、ご自身の詩集「浅い眠り」を頂きました。
内容は、実に最高。
にやにやしながら一気読み。
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