Jul 03, 2007

コントラバス

 
ぼくの友人には音楽家はあまりいない。ひとりの女性のピアニストがいるぐらいである。  
もう10年以上前、高校の同窓会に、とあるコントラバス奏者が招かれ、講演と演奏を披露したことがある。  
彼は、そのときすでに世界的なコントラバス奏者として、名声が確立していたようだ。  
ぼくは、田舎の小学生時代からかれの姿はときどき見かけた。  あまり親しく言葉を交わすことはなかったが。  
その同窓会ではじめて彼に話しかけた。  
彼は、ドイツのある名門オーケストラで長く活躍している。  
彼は言った。  「日本人が、ヨーロッパ人の音楽にどれだけ迫れるか、むずかしいが、やりがいがある。」  
極論すれば、外国人が、能や歌舞伎を演じるようなものかもしれない。  
最近、新聞で、彼のコンサートがあることを知った。  
そこで、早速、チケットを求めて、来週、聴きに行くことにしている。  
コントラバスのための曲は少なく、あまり有名なものはないようだが、知り合いの演奏だけに関心がそそられる。  
彼は、一般大学に通うかたわら、音楽大学にも通って、見事に両方卒業した。経済的にはなかなか大変だったようだ。努力の甲斐あって奨学金を獲得してドイツ留学も果たした。比較的おそいスタートだったようだが、いまや、その世界ではマエストロ的な存在になったらしい。  
来週の演奏がどんなものになるか。今から楽しみである。    
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