Dec 07, 2007
近況、麦朝夫氏の近作
きのう、友達と待ち合わせして、大阪の地下街「ディアモール」に行ってきた。FM大阪の公開録音があったのだ。Salyuという女性シンガーがゲストの回であった。地下街の真ん中にステージがあって、前には百人ほどあつまり、DJとトークしている。ジョニ・ミッチェルをカバーしているようでうれしくなった。その後に、堂島のジュンク堂に行った。編集工房ノアの本が特設の棚においてあて、天野忠さんの詩集が何冊か置いてあり、欲しくなったが今月は出費が多いので泣く泣く今度来ようと思った。
なぜ出費が多いかというと、ひとつはレポートのひとつが不合格になり再提出しなくてはいけない。これについては、友達や、色んな人に愚痴を云った。そのひとつの理由に再提出に2000円かかるということがある。
次に、来月実習なので、健康診断を受けないといけない。老人ホームに行くのでO157やサルモネラ菌を持ち込むとお年寄りの生命に関わるからだ。これは致しかたないけれど。
今回のtabについて送っている方から、感想のおはがきが時々届いてそれが助けになっている。僕の今回の詩は「戦争」について書いているので、戦中に学校教育を受けた大阪の詩人麦朝夫さんから温かいお手紙が届いた。さらに近作を送ってくださった。叢生という詩誌の151号より「えらいおがってたなあ」より後半部を引用。
ニホンが焼けて 中学生になったらまた先頭で
マエヘーススメッ とおがったら
号令はいかん ハヨイケイケ
と担任がハエでも追うように手を振った 広い空
またドッと傾く世やけど あとは母を見送るだけやと
ヒヤーッと笑う
いちめんの 静かな いてへん者(もん)眺めたら
隣の部屋か 床の下や 誰か
おがって おがって おがって 寝られへんねん!
(麦朝夫「えらいおがってたなあ」より)
感想として軽妙なアイロニカルな感じの大阪弁で、麦さんが生きて
叩き込まれた矛盾が語られている。
麦さんは短い詩をよく書いておられるが
このような形でコンパクトに伝えることも
彼のひとつの切実さのあり方だと思った。
>いちめんの 静かな いてへん者(もん)眺めたら
ここに非常に打たれる。
次の連は生きているものの声(よがり声?)なのか
死んだものの声かわからないけれど
その間にはさまれて
麦さんの魂は、休むことができないのだ。
僕はベンヤミンの「歴史哲学テーゼ」を思い出した。
麦さんの中にも過去の廃墟が生きており
もうすぐ自分は死ぬとしても
何かを語り伝えたいという風が廃墟から吹いていて
彼を語らしめているのだと思う。
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