Aug 06, 2007
ちゃんと学生しています!
昨日の韓国出身の李先生の『社会福祉原論』は、ユニークな授業であった。国家試験で最難関とも呼べる、この科目。李先生は、精緻なレジュメを作っていた。知識はいやでも、国家試験に向けて覚えなければならない。だから、李先生はそこは、後で勉強するであろうからと考えているのか、福祉理論や制度の背景にある、宗教や価値理念をとうとうと、マギー司郎のような口調で語っていた。キリスト教の「隣人愛」、仏教の「慈悲」、儒教の「仁」。知識を生かすものは、そのような見えない知恵や叡智であることを先生は語っていた。また、価値観同士の否定のしあいが、行き過ぎているといっていた。この意味で、先生はご自身が述べるように相対主義的である。その識見は、自然法思想を源泉としているようだ。「教養」もよく口にし、マックス・ウェーバー、トマス・モアと社会思想の古典を読むように進めていた。古典的な社会学徒であり、社会福祉思想家の中でも、日本で20世紀中盤に活躍した諸先生方に師事していたようだった。だからといって、難しい感じは、まったくしない。リラックスに謎の気孔を紹介する等、つめこみよりも、福祉の何たるかを楽しく教えようとしていて、気分良かった。そのあと、学生交流会に参加するが、すぐ酔っ払い、早々に帰った。無職には、仕事している皆様がまぶしい。今日は、『障害者福祉論』。障害者自立支援法に対する、バランスのとれた、危惧を述べていた。先生は、障害者福祉の分野で相談支援が日本では手薄だといっていたが、私もそう思う。参院厚生労働委員会「障害者自立支援法案に対する付帯決議」という資料をもらったが、政治家が、官僚がバカだから、悪政がまかりとおるといった批判は一面的であると思った。そうなのだが、真面目に仕事している人もいる。だがまさに支えあう社会がいかに構築されるか、実現段階でつまずいてばかりなのだ。なぜなのか。私は先生に反して、やはり、お上が現場の事をどれくらい知っているだろうかと不安である。短めのビデオを二本見せてくれたり、工夫されている。バリアフリーや障害について、語るとき、先生自身が足がお悪く、体験的な話で説得力があった。
学生気分で思ったより、脳が活性化し調子がいい。お二人とも、ベテランの教員であり、そして元気である。必ずしも、考えが私と一致するわけではないが、私は色んな考えを聞き、頭が活性化している。今まで見た先生は、世界や日本の現状に強い危機感を持っていて、わりかた良心的であると思った。ちゃんと大学だと思った。
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