Mar 02, 2007

恩師

 社会福祉士養成校への出願書類の中に、大学の卒業証明書とあったので、枚方にある母校に行く。月曜にまたとりにいかねばならない。それから、大学時代の恩師に会いに行く。先生は足を悪くされており、少し心配になった。僕がだいぶ元気になったのを見て安心しておられたようだった。いまどきの学生は幼くなっているらしい。大学の先生も、講義に出て後は研究したりしているというだけでなく、サラリーマン並みに出勤しなくてはいけないご時勢だそうだ。タイムカードのある大学もあるという。何でも、国の方針でやる気のない大学は補助金を削られるそうだとか。暗澹たる感じがした。先生も、困っておられるようだった。学生時代、先生が課題図書とした『イワン・イリッチの死』は素敵だった。
 先生はあたたかく迎えていただいて、うれしかった。

◎ここ半月で読んだものをメモする。
 竹内好『魯迅』
 水木しげる『ヒットラー』(マンガ)、『生まれたときから「妖怪」だった』
 吉本隆明『真贋』『生涯現役』
 信濃川日出雄『ファイン3』(マンガ)
 佐藤秀峰『新ブラックジャックによろしく1』(マンガ)
◎読んでいる途中の本
 吉本隆明・笠原芳光『思想とはなにか』
 鶴見俊輔・上野千鶴子・小熊英二『戦争が遺したもの』
 三木成夫『胎児の世界』
◎積読多数。はへ。

 吉本隆明の本が多いが、特にファンというわけではない。が、この両著は面白かった。布村さんが『真贋』のことをブログに書いていて読みたくなった。『魯迅』は竹内自身、遺書と考えてようで、その後出征したので、その思いのどれほどかが伝わってくる。ただ最後のほうは、結論と云うか、そういうものに何となく違和感を覚えた。武田泰淳『司馬遷』と並ぶ名著といわれている。祖母の葬儀に向かう車中で一気に読んだ。水木さんはやっぱりすごくリアリストだなあ。『戦争が遺したもの』は小熊のツッコミが冴えている。これも遺言に近い内容。言い残した事の幾分かでも伝えようとしている。偶然か必然か、吉本、水木、鶴見は先日亡くなった祖母と同年代である。差異と同一性。信濃川と佐藤のマンガは今日読んだ。『ブラックジャックによろしく』はもうネタが尽きたかと思ったが、新を読んだ限りでは、なんとかかんとかがんばっている気がした。でもどうやってこの人は医者になるのか、あまりわからない。臓器移植の話。このマンガは、医学の本当におおまかな勉強にもなるのでいい。『ファイン』は絵描きの主人公の話で、マンガ自体の絵はそんなにうまくないのがいい。前向きなんだけど迷って、なかなか壁が破れなくて、というとこが身につまされる。
Posted at 23:47 in nikki | WriteBacks (0) | Edit
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