Dec 04, 2006
パプリカ
昨日、テアトル梅田に今敏監督の『パプリカ』を見に行ってきました。寒さが強くなってきたと感じた日でした。感想はというと、前半はふーん、そうか。後半はまずいなあという感じでした。特に黒幕が出てきて、ゴチャゴチャになるあたりが中途半端という感じでした。ちょっと厳しいかもしれませんが、そんな感じです。
ものをつくるというのは、どこかに「問いかけ」というものがないといけないのではないかという気がしました。『パプリカ』は、男と女、夢と現実という既存の前提を疑うことなく描かれている気がします。もちろん、疑わなくても、優れた作品はできます。ただ、アニメだからといって、「人間」を描くことを忘れてはいけないような気がします。『アキラ』や宮崎作品を、つまり先行した作品をあまり工夫もなくなぞっている部分も気になりました。もちろん、なぞったって、いいわけですが、そこに今さんなら今さんの(別にシリアスにならなくてもいいです。シリアスでなくても、すぐれた批評性は発揮できるわけですから)人間や世界に対する、独自の視点というか問いかけが介在していなくてはちょっとまずいのではと思いました。これらは全て老婆心ですが、「ものをつくる」というのは他人事ではないので、心していかなくてはと個人的には感じました。たぶん、純粋な鑑賞者の意見とは異なるので、それはわかっています。
今日『ファイトクラブ』をDVDで見ました。『パプリカ』と同じ夢というか、ある種の無意識が露呈してくるという意味では似た感じなのですが、ひねりを感じました。どっちが優れているという問題ではなく、私はこちらの方が、好みかもしれません。
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